ちくま新書
命の値段が高すぎる!―医療の貧困

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064981
  • NDC分類 498.13
  • Cコード C0247

内容説明

もはや日本の医療制度の命運は風前の灯である。身も蓋もない言い方をすれば維持するためのお金が足りないのだ。そうした危機への処方箋として打ち出されたのが小泉医療改革である。後期高齢者医療制度、メタボ健診、レセプト並み領収書、社会保障カード…こうした一連の施策は、じつは驚くべき狙いに貫かれたものであり、現在にも深刻な影響を及ぼしている。長生きが経済的に重すぎる負担となったいま、医療の近未来がどこへ向かうのかを、冷徹な眼でリアルに喝破した衝撃の書。

目次

第1章 「医療の終わり」の始まり―二〇〇八年四月一日
第2章 小泉医療改革が目指したもの
第3章 医療費負担の世代間対立―後期高齢者医療制度
第4章 メタボリック狂想曲
第5章 「善意の医療」が消える!?―レセプト並み領収書がもたらすもの
第6章 健康監視社会の到来―レセプトのオンライン化の意味
第7章 保険は国や会社に頼るな!―社会保障カードと個人勘定
第8章 日本の医療に「希望」はあるのか―国民の選択

著者等紹介

永田宏[ナガタヒロシ]
1959年生まれ。長浜バイオ大学教授。85年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所で医療情報研究に従事。鈴鹿医療大学教授を経て現職。医学博士(東京医科歯科大学)、理学修士(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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hatayan

32
2009年刊。当時発足したばかりの後期高齢者医療、メタボ健診の制度を例に、日本が国民皆保険の維持に賭けていることを解説。高齢者を弱者と決めつけるのではなく就業し続けることのできる制度の整備が必要と提言します。 受益と負担の関係を明確にするため、所得ある層からはより多くの負担を求めること、マイナンバー制度を医療でも利用すること、そして消費増税など、制度の変更や改正は今後も間断なく続いていきます。 タイトルが煽り気味なのが惜しまれますが、10年前の議論をしっかり振り返ることができる一冊です。2019/06/19

星空の挑戦者

4
大盛りを注文したらその中に税金を取り入れる「大盛り税」はすごいアイデア!どうするココイチ。2011/06/14

tankaru

2
医療体制に問題があることは理解できた。そして著者がそれについてよく調べたであろうことも理解できた。 ただ、問題を提示するだけにとどまっているのが惜しい。本にも書かれているように、問題があることは行政側も認識しているだろうし、同時に答えが見いだせないこともわかっているだおう。 だからこそ、このような本を出すのであれば、著者なりの回答が示せないと意味が薄い。2013/08/24

文旦飴

2
麻生発言の「自堕落な生活を続けて慢性疾患になった者の医療費を、なぜ真面目に健康管理に務めた人間が肩代わりしなければならないのか」という指摘はもっともで、そもそも保険は生活習慣病等の慢性疾患を想定して作られてないという話には目からウロコ。そりゃ医療制度も破綻するわ。あと、四章、「ハンバーガーと肥満との因果関係は科学的に実証されていないという意見があるかもしれないが、そんな心配は最初から無用である。もともと国のメタボ基準にも科学的根拠がないのだから、ちょっとくらい根拠が薄くても問題はない。」とは何とも辛辣。2011/06/09

Dr.Pooh

2
政権交代への幻想が崩れたとき,小泉政権のときのような市場主義と自己責任論が再び台頭するのだろう。2009/12/02

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