内容説明
経済学は一体なんの役に立つのか?経済学的な考え方を身につければ、肥満やタバコ中毒、出世や談合、耐震偽装といった問題を、これまでとはまったく異なる視点で見ることができるようになる。本書は身近な話やだれもが知るような話題を取り上げ、それを経済学の視点で分かりやすく論じており、読み進めるうちに経済学のエッセンスが理解できるようになる入門書である。
目次
序 「経済学は役立たず」は本当か
第1章 なぜあなたは太り、あの人はやせるのか
第2章 教師の質はなぜ低下したのか
第3章 セット販売商品はお買い得か
第4章 銀行はなぜ担保を取るのか
第5章 お金の節約が効率を悪化させる
第6章 解雇規制は労働者を守ったのか
著者等紹介
大竹文雄[オオタケフミオ]
1961年生まれ。83年、京都大学経済学部卒業。85年、大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。大阪府立大学講師等を経て、大阪大学社会経済研究所教授。大阪大学博士(経済学)。労働経済学を専攻。著書に『日本の不平等』(日本経済新聞社、サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞、エコノミスト賞受賞)などがある。2006年に日本経済学会・石川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
22
『エコノミスト』掲載のコラムの単行本化2021/10/06
犬こ
15
様々な経済学者が身近な例から国家に至るまで、あらゆる切り口で経済学がマクロ的視点でどう生かされているか述べたもの。不景気になるとお金が無くなったように見える。お金の量は変わらないが、お金が回らなくなっているのが原因で、そこで国が公共事業を増やすのだけれども、果たしてそれは合理的なのか?等々、経済学の考え方は使えるなと感じさせてくれる説得力ある一冊。2017/09/04
バナナフィッシュ。
10
オイコノミアの大竹先生。編集しただけで、数本のネタしか執筆してはいないが、ところどころ面白い記事、すぱっと切れる目線の記事が散見される。どのように制度を設計するのがよいか。個々人のやる気とかそういう努力論ではなくて、一つの新たな論理的に証明された解決策を提示してくれるから経済学はおもしろい。一度クルーグマン経済学でも読んで、本格的に学んでみるべきだな。深いところほど面白い。2016/06/23
dou
5
退屈で後半は飛ばしてしまった、、。経済学の本は「筆者は誰か?」が重要かもしれない。本書は単元ごとによくわからない筆者がコロコロ変わるので読みづらい。せめて筆者の紹介を1行でもいいから書いてほしかった。内容も雑学に近い。2019/08/13
slowlifer
5
経済学の取り扱う範囲は、談合、肥満、教師の質など多方面に渡っていて応用が利く(らしい)。経済学の場合、①因果関係を考える、②インセンティブを無視しないことが重要とのこと。経済学が提示する様々な選択肢の中で、その集団や個人がどれを選択するかは、公平性、効率性をどうとらえるかという価値観や通念による(らしい)。努力や運によって多大な幸運を独占的に得ることこそが公平で世間の道理と考える人にとって、全員に同じチャンスを与えたり、富を分配する公平性は、不公平で理不尽極まりないものになるかも。(いい例えが浮かばない)2016/07/10