ちくま新書
子どもをナメるな―賢い消費者をつくる教育

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063977
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0237

内容説明

義務教育の目的は、賢い消費者を作ること。賢い消費者とは、テストでいい点をとる人でもなく、頭の回転が早い人でもない。自分の人生を自分でデザインできる人間のことなのだ。また、社会をよくするのも、まずは各々の消費者としての教養にかかっている。「道徳よりも損得を教えよ」から各教科の効果的な教え方まで。日本の教育問題の本質を鮮やかに示し、あわせて処方箋を提示する。

目次

第1章 義務教育の役割(「教育のニーズ」…って何?;社会もよくする消費者教育)
第2章 子どもをナメるな!(モラルより損得で;「コスト」のことを教えよう)
第3章 すべての学科は「役に立つ」(数学で世の中がわかる;「伝達力」は国語から;社会科で平和の価値を知る;理科で自然とうまく付き合う;英語はまず聞くことから;芸術も体育も消費者教育;個人のための家庭科)
第4章 これからの社会、これからの教育(今こそ個人尊重を;徳育より宗教教育;「恋愛」は立派な学科;「自立」とは何だろうか)

著者等紹介

中島隆信[ナカジマタカノブ]
1960年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。現在、慶應義塾大学商学部客員教授。商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がばいおばちゃん

6
経済学的な効用から学校教育を論じていて、ずいぶん極端な意見だなぁと思うところもあったが、「社会科は、”平和がどれだけ価値があり、ありがたいものであるか知ること”を目標に」という点には共感した。自給自足できない国なのだから、平和でなくてはならないでしょ、という点も説得力あった。教育の目標は、自立できる人、賢い消費者を育てようという点はまさに、と思った。しかし、すべての理由づけを「得」である、と説明するところはわかりやすいけど、受け入れがたいところもある。ちょっと無理もあるんじゃ???2015/03/01

SGM

3
★★★なかなか面白く、あっという間に読了した。上から押し付ける教育ではなく、子どもを教育サービスの消費者とみなし、ニーズ(勉強を好きになる)を満たす教育を行う必要があることを説く。そして、賢い消費者・自立した人間を作ることを最終目標にしている。『いま本当に必要なのは、人間の愚かさや弱さを知ることの方だ。そこから生まれる謙虚な心が、他人を思いやり、他人を受け入れ、さらには傷つきやすく弱い自分を認めることを通じて、結果として子どもの道徳心を形成していくのである』(P188)2016/06/03

kakaka@灯れ松明の火

3
考えさせる部分がありました。全てを鵜呑みにせず、自分でも考えていく必要を感じました。2009/02/05

ラララ

2
中島隆信 1960年生れ、慶大経卒。慶大客員教授、著書多数。2007年出版。大人に教育と自立を問う。首肯すべき点多数、考えさせられる。2019/02/03

壱萬弐仟縁

2
大津市のいじめ事件。これを前提に「いじめは損だ」を読むとどうか(082ページ~)。本著が発刊された2007年もまた、みのもんたの朝ズバッでも連日、取り上げられていたのは、ムックの発刊時期をみればわかる。このいじめは損だ、という指摘は、著者の経済学の立場からの指摘である。クラスの雰囲気が悪化すれば、効用は減少する。同級会もいじめが横行していたクラスでは開きたくないであろう。思い出したくないであろう。また、「勉強の楽しさは、習ったことが役に立ったときにこそ実感できる」(209ページ)との指摘は同感だった。2012/07/21

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