ちくま新書<br> 日本を教育した人々

ちくま新書
日本を教育した人々

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063908
  • NDC分類 372.1
  • Cコード C0237

内容説明

極東の島国で資源にも乏しい日本は、「教育」を半ば国民的な「宗教」として国力を築いてきた。ところが今日、いじめや学力崩壊によって、その「教育」が壊れつつある。背景には社会的国民的紐帯の解体という、より深刻な問題が横たわっている。日本人を日本人たらしめた教育とは、どのようなものだったのだろうか。日本を教育したといえる、松下村塾の吉田松陰、慶応義塾の福沢諭吉、木曜会の夏目漱石、戦後日本人に巨大な影響を与えた司馬遼太郎を例に、彼らの言説と行動の教育作用の分析をとおして、その問いに答える。

目次

第1章 吉田松陰と沸騰する情熱の伝播(革命家の孵化器「松下村塾」;漢学に培われた松陰の日本語能力 ほか)
第2章 福沢諭吉の「私立」という生き方(いまだに影響力を持つ実際的な教育者;カラリとした精神と合理的な性格 ほか)
第3章 「夏目漱石」という憧れの構造(教師に不向きな教育者;近代日本語の土台をつくる ほか)
第4章 日本史をつなぐ司馬遼太郎(「日本人とは何か」という問い;日本人としてのアイデンティティを教える ほか)

著者等紹介

齋藤孝[サイトウタカシ]
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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TakaUP48

26
極東の資源乏しい島国・日本の財産は「教育」だ!江戸時代の識字率は世界一だったなどと言われてきたが、戦後の教育は民主的教育で揺れ、最近の教育は紆余曲折で方向性がわからない。机上の空論砲ばかり打ち上げる文科省はどうなっているのか。日本人を日本人たらしめた教育を実践・感化した4人に触れている。松下村塾の𠮷田松陰、慶應義塾の福沢諭吉、木曜会の夏目漱石、戦後の日本人に元気・活力を与えた司馬遼太郎の思いや考え、影響が述べてある。グローバルな世界に飛びだす日本人にとって、今必要なのは「日本人とは何か」ではなかろうか。2019/12/12

たか

15
今回は今まで読んできた斎藤先生の本の内容とかぶるところが多くて、それほどなるほどって思えるところがなかった。残念。2019/04/24

hanagon44

14
山中教授の言われたビジョンとハードワークがまず思い浮かびました。これが卓越したレベルで,この4人から強烈に発せられていたのではないかと思います。限りある命であらん限りの知識を吸収し,その知識を生かすよう尽力しながら,後を託す者たちによりよい国,未来を築いてほしいと思いをつなぐのは当然の成り行き。人としてより良く生きるとは,後の世を生きる人のことまで思いを馳せて,そのために自分は何をすべきかを大局的に捉え行動することなんだと思います。それを考えさせるきっかけを与えることが教育の第一歩なんだと思いました。2015/12/11

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

13
ブックメーカー齋藤孝による、松陰、福沢、漱石、司馬遼論。評伝ではない。バリバリの文系である齋藤さんの本は、本好きには読み易く励まされる。齋藤さんは、現代の文系軽視には憤っているんだろうな。考える材料としての母国語を疎かにする愚や、換金できる学問の隆盛を苦々しく思っているのが伝わる。私は齋藤孝を支持します。2012/12/09

清作

11
吉田松陰、福澤諭吉、夏目漱石、司馬遼太郎。この4人が日本にどのような影響を与えたことによって、奇跡の明治維新を経て明治国家、さらには現代日本が誕生したのかが、分かり易く前向きな語り口調で説かれている。皆に共通するのは「向学心」や「私ではなく公のために尽くした」ことだと思う。そしてそれは現在の日本に欠けてると言わないまでも足りないことではあると思う。多くの人に本書が読まれたら日本がまた活き活きしだすだろう。2012/12/11

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