ちくま新書<br> ルポ 最底辺―不安定就労と野宿

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ちくま新書
ルポ 最底辺―不安定就労と野宿

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063779
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0236

出版社内容情報

野宿者はなぜ増えるのか? フリーターが「若者」ではなくなった時どうなるのか? 野宿者と若者の問題を同じ位相で捉え、社会の暗部で人々が直面する現実を報告する。

内容説明

野宿者(=ホームレス)問題が深刻化している。失業した中高年、二十代の若者、夫の暴力に脅かされる母子。いま、帰る場所を失った多くの人びとが路上生活に追い込まれている。他方では、多くの若者がフリーターや派遣社員として働いている。その数およそ400万人。遠くない将来、彼らも「若者」ではなくなる。そのとき、社会はどうなるのか…。大阪・釜ヶ崎で野宿者支援活動に20年間携わってきた著者が、野宿者とフリーターの問題を同じ位相でとらえ、日本社会の最底辺で人びとが直面している現実を報告する。「究極の貧困」を問うルポルタージュ。

目次

はじめに 北海道・九州・東京、その野宿の現場
第1章 不安定就労の極限―80~90年代の釜ヶ崎と野宿者
第2章 野宿者はどのように生活しているのか
第3章 野宿者襲撃と「ホームレスビジネス」
第4章 野宿者の社会的排除と行政の対応
第5章 女性と若者が野宿者になる日―変容する野宿者問題
第6章 野宿者問題の未来へ

著者等紹介

生田武志[イクタタケシ]
1964年生まれ。同志社大学在学中から釜ヶ崎に通い、現在までさまざまな日雇い労働運動・野宿者支援活動に携わる。「つぎ合わせの器は、ナイフで切られた果物となりえるか?」で群像新人文学賞・評論部門優秀賞(「群像」2000年6月)を受賞。現在、野宿者ネットワーク、釜ヶ崎・反失業連絡会などに参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

58
本書が図書館のリサイクル本になってしまったことは、残念無念。もっと、多くの人に読んでもらいたいからである。明日はわが身だから。東京のネットカフェ難民に、マクドナルド難民という言葉(010頁~)が流布していたのは、リーマンショック前年に出版された2007年の時代。著者は註の中で、野宿者問題を語るには、英語のhomelessが適当だという。施設から出てもあてのない人、シェルター暮らしの人、家がなくて友人宅やマンガ喫茶で寝泊まりする人も入るため(015頁)。 2016/11/11

佐島楓

58
住むところを失ったとたん、人権・人としての尊厳も失われるという現実。誰でも決してなりえないとは言えないのに、差別と偏見を浴び、黙殺される人々。実際に日雇い労働を何年も経験し、支援活動に携わる著者の言葉には説得力がある。「椅子取りゲーム」になぞらえられる社会構造。椅子に座れなかった人は、どうすればよいのか。2016/04/30

kinkin

17
世の中あ富裕層と貧困層の二極化が進む現代、最底辺に暮らすホームレスの実態が書かれている。働きたくないから働かずホームレスをしているのではなく、多くは働きたくとも働けずにホームレス隣っている現実、またホームレスを食い物にしているヤミ金融や、何の理由もなくホームレスの人々に暴行する若者たち、その若者たちも今、いつホームレスになっても不思議ではない現状など、国、行政レベルで取り組んで行く大事な問題だと感じた。 臭い物にはフタをしろ、とにかく排除優先となっている状況は目を覆いたくなる事実ばかりである。2014/03/02

シン

14
この手のルポは本当に勉強になる。 考えさせられる1冊。2007/10/03

いもムシ

6
貧困関連&読友さんおすすめ本です。著者自身が日本最大の寄せ場である釜々崎で、野宿者(=ホームレス)を支援し、日雇労働者としても働きながら、野宿の実態を調査したルポものです。以前に読んだ飯島裕子氏の「若者ホームレス」は主に現代若年層の野宿者についてでしたが、こちらは著者が活動を始めた1980年代後半の比較的高齢の野宿者について知ることができます。この問題が収束しない要因の一つに、私達地域住民の差別・偏見・(物理的/意識的)排除があると著者は指摘しますが、頭では分かっていても行動には中々…と言ったところです。2017/02/20

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