出版社内容情報
流転してやまない人の世の苦しみ。それをどう受け容れるのか。芭蕉は旅にその答えを見出した。芭蕉が得た大いなる境涯とは何か。全行程を追体験しながら読み解く。
内容説明
芭蕉にとって、『おくのほそ道』とはなんだったのか。六百里、百五十日に及ぶ旅程は歌仙の面影を移す四つの主題に分けられる。出立から那須野までの禊、白河の関を過ぎてみちのくを辿る歌枕巡礼、奥羽山脈を越え日本海沿岸で得た宇宙への感応、さまざまな別れを経て大垣に至る浮世帰り。そして芭蕉は大いなる人生観と出遭う。すなわち、不易流行とかるみ。流転してやまない人の世の苦しみをどのように受け容れるのか。全行程を追体験しながら、その深層を読み解く。
目次
第1章 「かるみ」の発見
第2章 なぜ旅に出たか
第3章 『おくのほそ道』の構造
第4章 旅の禊―深川から蘆野まで
第5章 歌枕巡礼―白河の関から平泉まで
第6章 太陽と月―尿前の関から越後まで
第7章 浮世帰り―市振の関から大垣まで
エピローグ―その後の芭蕉
著者等紹介
長谷川櫂[ハセガワカイ]
1954年熊本県生まれ。俳人。東京大学法学部卒業。読売新聞記者を経て、創作活動に専念。俳句結社「古志」主宰。東海大学特任教授。朝日新聞「朝日俳壇」、および「NHK俳句」選者を務める。読売新聞朝刊にコラム「四季」連載中。句集『虚空』(花神社)で読売文学賞、評論集『俳句の宇宙』(同)でサントリー学芸賞、中村草田男賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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