ちくま新書
心脳コントロール社会

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  • サイズ 新書判/ページ数 202p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063120
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C0236

出版社内容情報

深層心理を巧みに操る「心脳マーケティング」。これが今、広告だけでなく政治の世界にも広がっている。この新しい「動員」に抗する術を探る。

内容説明

それと気づかれないまま、人を特定の方向に誘導するマインド・マネジメント。脳科学の知見を取り入れた「心脳マーケティング」に基づくこの手法は、今や商品広告のみならず、政治の世界でも使われている。マス・メディアを通してなされるこの種の「心脳」操作は、問題を「快」か「不快」かの二者択一に単純化し、人を思考停止へと追い込む。「テロとの戦い」を叫ぶ米ブッシュ政権も、「改革」を旗印とする小泉政権も、この手法を用いて世論を動かした。その仕組みを明らかにし、「心脳」操作に騙されないための手立てを提示する。

目次

第1章 商品化される心脳科学
第2章 心脳マーケティングの時代
第3章 ブッシュ政権の「心脳」操作
第4章 人間にとっての言語と心脳
第5章 「小泉劇場」の深層
第6章 脱・心脳コントロールへ

著者等紹介

小森陽一[コモリヨウイチ]
1953年東京都生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授。日本近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

7
再読。『ショック・ドクトリン』を読んで思い出した一冊。著者は日本近代文学の研究者だが、タイトルと肩書きの違和感は、読み進めるうちに無くなっていく。社会の中には言葉が満ちあふれていて、私たちはそれ無しには生きていくことが出来ない。その人間の根幹ともいえる言葉を操作することによって、人間の無意識に情報を刷り込みむ手法が、マーケティングの中では行われており、それを政治的プロパガンダにまで利用しているのが今の政治家である、という論旨。「YesかNoか」という問いの罠や、三つの時系列を操作するCM手法などを提示する2013/10/09

ザカマン

5
政府とメディアは脳科学に基づき、言葉巧みに心と脳を操ろうとしてくるのを見破る力がある程度つく。 小泉政権やブッシュの話は少し前の内容なので、飛ばしてもいいと思う2019/02/07

Takao

4
2006年7月10日発行(初版)。17年前の発行。既に「九条の会」事務局長として各地で講演に忙しかった頃か。書名に「?」と思ったものの(発行直後に)求めた。脳科学・心脳マーケティング、等々の言葉に怯んで、長らく放置されていたが、17年の歳月を経てやっと読み終えた。話は、脳科学、心脳コントロール、人間の発達、ブッシュ政権の戦争、「小泉劇場」、と縦横に展開されるが、「敵」と「味方(われわれ)」の二分法に陥らず、常に「なぜ?」と疑うことの大切さを改めて学んだ。17年を経て政権も変わったが、疑うことを忘れない。2023/08/17

シン

2
コントロールされないようにせねば。2006/01/23

s_mirai

2
「心脳コントロール」をキーワードに、マーケティング、イラク戦争、小泉政権批判まで織り込んだ、応用の効きそうな一冊。 解決法として「なぜ!?」の疑いを持つことだと提案されているけど、確かにその通りで、「なぜ!?」という疑問をどんどん投げかけることを忘れているかもしれない。自戒のためにもメモ。2010/06/17

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