ちくま新書
「私」はいつ生まれるか

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480063014
  • NDC分類 141.93
  • Cコード C0211

出版社内容情報

「自分」という意識はどのようにしてできるのか。心の発達と進化、両面からその起源を探り、「他者」との関係のなかで育まれ、ダイナミックに変化する「私」の姿を追う。

内容説明

自分とは何か。誰もが一度はそんな思いにとらわれる。私たちは物心ついたときから、自分を「私」と認識し、「それは私のもの」と所有を主張する。自己意識とは、一体いつ、どのようにつくられるのだろうか。相手の心がわかる心=「心の理論」「メンタライジング」などを手掛かりにして、他者やモノとの関係性によって生じ、ダイナミックに変化する。「自己」の姿を、認知科学・発達心理学の知見をもとに探求。ニホンザルやチンパンジー、さらにヒトの子どもを対象に、系統発生的・個体発生的な自己の起源を探り、根源的なテーマに挑戦する。

目次

第1章 「私」という認識
第2章 「私」の発達
第3章 「私」の進化
第4章 他者の心と出会う「私」―メンタライジングの発達
第5章 他者の心がわかる「私」―心の理論の進化
第6章 ロボットに宿る「私」

著者等紹介

板倉昭二[イタクラショウジ]
1959年大分県生まれ。横浜国立大学教育学部卒。京都大学大学院理学系研究科博士課程霊長類学専攻修了。日本学術振興会特別研究員、米国エモリー大学客員研究員、大分県立看護科学大学人間科学講座助教授を経て、京都大学大学院文学研究科心理学研究室助教授。専門は発達心理学、比較認知発達科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tolucky1962

11
いつからどのように、人が自己を認識するか、他社との関係を理解するかといった根源的疑問を赤ちゃんやサルによる実験を通して研究する。自己認知のレベルは0(鏡に気づかない)1(気づく)2(自分と鏡の動きを探索)3(自己像を認識)4(写真や時間を超え自己認識)5(第三者視点の自己を推定)。サルではどうか。人やサルとの関係を含めた実験で検証。人が0~5歳でどう発達するか。犬や馬など家畜化された動物が人の視線などから心をどう読むか。ロボットに対してはどう反応するかなど。 2017/03/25

とにー

0
課題のために読んだ本。生命倫理の分野をもっと掘り下げてみたいと思ってこの本を手にとったのだが、タイトルや表紙の紹介文とは全く食い違った内容という印象を受けた。いつになったら本題に入るのか、というのが素直な感想である。ページの大半が、タイトルから逸れた実験とその結果の考察で占められており、結論は、「ひとつの学問領域ではとても研究できない。複数を組み合わせる必要がある」というような、半ば投げ出したかのような終わりかたになっており、非常にがっかりした。2012/07/12

鵜殿篤

0
本書に限ったことではないが、心理学や認知科学に対して一般的に疑問を思ってしまうのは、観察された現象を本当に「心」という言葉で呼ぶのが妥当かどうかということだ。原理的に言えば、観察者が持っていた「心」という概念を観察対象に適用して「心」の存在を証明することは、帰納的な推論ではなく、「循環論法」に陥っているのではないか。たとえば、動物実験で観察されたものを「心」と呼ぶのは、単なる擬人化ではないかとも疑ってしまう。観察で見出された現象は、本当に「心」というカテゴリーで処理するのが一番適切なのだろうか?2018/02/07

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