ちくま新書<br> 国語教科書の思想

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ちくま新書
国語教科書の思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480062703
  • NDC分類 375.9
  • Cコード C0237

内容説明

戦後の学校教育は子供の人格形成を使命の一つとしてきた。現在、その役割を担っているのが国語である。「読解力低下」が問題視される昨今、国語教育の現場では何が行われているのか?小・中学校の教科書、なかでもシェアの高いいくつかの教科書をテクストに、国語教科書が子供たちに伝えようとする「思想」が、どのような表現や構成によって作られているかを構造分析し、その中に隠されたイデオロギーを暴き出す。

目次

第1章 「読解力低下問題」とは何か(国語教育をめぐる「誤解」;「読解力低下」の一人歩き;PISAの「読解力」試験とはどういうものか;新しい科目の立ち上げ)
第2章 自己はどのように作られるのか―小学国語(自然に帰ろう;父の不在の意味;自己と他者に出会う;他者のいない情報;二つの定番教材)
第3章 伝える「私」はどこにあるのか―中学国語(強いられるコミュニケーション;「道徳」の方へ;「わたしたち」というレトリック;なんのための豊かさか)

著者等紹介

石原千秋[イシハラチアキ]
1955年生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期中退。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組を使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、「国語」教育について、特に入試国語の読解を通した問題提起も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

23
読むのも書くのも大好きだったのに、現代文の試験は訳わからなかった。部分点ももらえないことも多かったけど全国ランキングに入ることもあって。出題者の意図を読め、と言われても苦痛だったな、こういうことだったか。◇でも教科書に限った話じゃない。「自然」も「他者」も、日常様々な場所で否定できない価値になってる。イデオロギーと感じられないからこそイデオロギー、国語教科書にはそれがわかりやすく露出してるということなら、実はとても貴重なメディアではないか。マスでもリアルでも、他の場所では隠微な現れ方しかしてないのだから。2014/06/12

ステビア

21
小中で教えられる国語が実は道徳的メッセージを隠し持っている、という主張はよくわかった。実際の教科書のテキスト分析はこじつけ&いちゃもん的なところも多い。批評ってそういうもんだろうが。2021/01/04

ちくわん

20
2005年10月の本。国語教科書の暗黙なプレスコード。現在の日本の国語教育は道徳教育でしかない。教育は……重い。そう考えると大学入試英語の土壇場での制度変更中止はものすごいことだったのではないか?まずは子供達の国語の教科書を読み直そう。2022/08/11

そうたそ

18
★★★☆☆ 国語の教科書の中身なんて、学生であった時には考えたこともなかった。ただただ授業を受け、機械的に文章を読んでいた、といっても過言ではないかもしれない。ただ本書を読む限りでは、国語教科書を通じて明確な思想のようなものが見えてきて面白いと思う一方で、これでいいのかと思う部分もある。国語授業の正解なんて、なかなか難しいとは思うのだが、PISAの結果を見る限りだと日本の国語授業は世界基準からは外れていると言わざるを得ないのかも。2020/02/02

りょうみや

17
著者の本3冊目。PISA「読解力」試験との比較、教科書の題材選びの裏事情、そして著者による教科書分析から日本の学校での国語というのはほぼ道徳教育だということがよく分かる。学校空間は本当に堅苦しくて無難なのだ。2020/07/04

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