ちくま新書<br> アナーキズム―名著でたどる日本思想入門

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ちくま新書
アナーキズム―名著でたどる日本思想入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 291,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061744
  • NDC分類 309.7
  • Cコード C0210

内容説明

大正ロマン香る革命家の伝説。破滅と頽廃に縁どられたテロリスト列伝。祝祭としての群集蜂起。生命流の爆発。相互扶助と自由連合のユートピア。唯一者を生きる矜持。戦士たちの共同体。あまりの純粋さと単純さゆえに、多くの若者たちを魅了してきた思想史上の異色、アナーキズム。そこにかいま見える近代の臨界とは何か。十冊のテキストをステップとして大胆に講釈される、根源的に考え生きるためのレッスン。

目次

序章 反逆とユートピア―アナーキズムとは何か
第1章 この人を見よ!―アナーキストの肖像 『大杉栄』(「日本の名著46」)
第2章 悲しき若者のロマン―デラシネ・テロリスト 竹中労/かわぐちかいじ『黒旗水滸伝』
第3章 躍動するエラン・ヴィタル―ベルグソニアン 鈴木貞美編『大正生命主義と現代』
第4章 社稷を想うこころ―コミュニタリアン 滝沢誠『権藤成卿』
第5章 撃てと命じるものを撃て―アンチ・スターリニスト 埴谷雄高作品集3『政治論文集』
第6章 敵の敵は味方―コンサバティスト 勝田吉太郎著作集第四巻『アナーキスト』
第7章 五十六億七千万待てますか?―ミレニアニスト 宮田登『ミロク信仰の研究』
第8章 さよなら日本、さよなら世間―コスモポリタン 鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』
第9章 君が気にいったなら―ピカレスク 松本零士『宇宙海賊キャプテンハーロック』
第10章 商人のユートピア―アナルコ・キャピタリスト 笠井潔『国家民営化論』
終章 日本アナーキズムの現在―メタ・アナーキズムの方へ

著者等紹介

浅羽通明[アサバミチアキ]
1959年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。みえない大学本舗主宰。早稲田大学・法政大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

61
2013.12.19(12/19)(つづき)浅羽通明著。 12/17 下町生まれ、吉本隆明のいう「大衆の原像」は、例えば「六十年安保」のデモの人出を当て込んで一儲けしようと屋台を出すアンパン屋だった。 埴谷は、昭和初年、すでに当時の大衆とは切り離された抽象的個に引きこもるシュティルナー的アナーキストだった。 岩佐作太郎たち。 この二人、ついに80年代埴谷VS吉本論争。  2013/12/19

i-miya

54
2014.01.25(01/19)(つづき)浅羽通明著。 01/24 (p148) 敵の敵は味方-コンサーバティスト。 ドイツはレーニンを助けた-封印列車。 「国立」アナーキズム大学。 汪兆銘-アナーキストに近い元テロリスト。 大杉栄VS村木源次郎。 忠通田老、多田道太郎『反逆の思想家大杉栄』 現実的保守派が意外にもアナーキズム体験をしている例。  2014/01/25

i-miya

42
2013.11.05(つづき)浅羽通明著。 2013.11.03 (p134) ◎埴谷アナーキズムの「個」-全員が「学者」「芸術家」である社会へ。 『新青年』の都会風幻想小説にインスパイアされる。 私は私である、という自明に懐疑し始める。 私は何者でもありえたのに、なぜ、いま、ここにいる「私」でしかないのか。 おたく世代に人気の哲学者、永井均『<子ども>のための哲学』などで提示した視点とやや似ている。 「自同律の不快」『死霊』の最大のテーマ。  2013/11/05

i-miya

40
2013.07.16(つづき)浅羽通明著。 2013.07.14 渡辺京二『権藤における社稷と国家』。  =権藤論として、最も実証的、かつバランスがとれている。 「常民」の日常的営みを統治者として知ろうとした柳田国男と権藤の共通性。 戦前日本のマルクス主義は、この大衆の原像を思想に繰り込んでいなかった。 ゆえに、彼らは、弾圧下で、この大衆の原像をつきつけられて、ぺしゃんこになる形で転向した。 ◎埴谷雄高、第一の転向-穴0期ズムから、アナーキズムからマルクス主義へ。  2013/07/16

i-miya

36
2013.05.02(つづき)浅羽通明著。 2013.05.02 ◎農本主義者による五・一五事件。 早い晩年、荻原恭次郎、権藤成卿(せいきょう)を読み、深く影響されつつあった(秋山清の研究)。 岩佐作太郎、『国家論大綱』の記述は、権藤そのままといってもいい、ある意味。 1868生まれの権藤、南方、子規、漱石の一年後生まれ。 生地は久留米。 1932、五・一五事件、権藤の影響、(1)海軍軍人たちによる犬養毅首相暗殺事件、2013/05/02

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