ちくま新書
「心」はあるのか―シリーズ・人間学〈1〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059918
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0210

内容説明

自分の気持ちが理解してもらえない、相手が何を考えているのか分からない。そんな悩みを抱えている人は少なくない。これらの悩みはみな、「心」の問題だと思われがちだが、その大半は、政治や経済、社会など、もっと広がりのある問題として考えるべきではないか。そもそも「心」という概念を、根本から問い直す必要があるのではないか。本書は、こうした問題意識から、これまで当然と思われてきた「心」の存在を多角的に検証し、私たちの常識を鮮やかに覆す。明晰かつスリリングな、社会学の試みだ。

目次

1 人は「心」をどう論じてきたか(「心」はどう論じられてきたか;なぜ「心」があると思うのか;言葉はなぜ通じるのか ほか)
2 「心」を解く鍵―言語ゲーム(言語ゲームとは何か;言語ゲームは価値相対主義か;言語ゲームと「心」の働き ほか)
3 「心」の問題を解き明かす(愛と性を考える;言葉と倫理;美の感動と言葉 ほか)

著者等紹介

橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。専門は社会学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

38
この本を読んで、ようやくウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」の意味がわかった。2016/05/05

ころこ

35
タイトルからしてウィトゲンシュタインを連想させます。特徴的なのは、社会学的アプローチによる宗教的観点の導入です。①分析哲学の基礎を論じます。②言葉と身体性の観点から、言語ゲームを社会化して展開します。③形式性を排して、真に教育的な問題を提示します。非常に平易で分量も少なく読み易いですが、読み流すことのできない明快で率直な言明が幾つもあります。ここまでストレートな言葉に対して、多くのひとが気付かないのか。それとも既に気付いて驚きが無いのか。「他人に心が無い」のかも知れないと思ってしまう不思議な感じがします。2018/12/04

B.J.

7
●なぜ人を殺してはいけないのか、と尋ねる中学生が現れ、突然そんな根本的なことを聞かれた大人が答えられなくて、教育が悪いとか、戦後の知識人が悪いとか、大騒ぎになりました。すべての社会は他者を殺してはいけないのですが、それは自分と他者を同等に尊重するという原則から出発しているからです。人間は身体をもって生きている。身体があるから行為をし、行為には意味があるから言葉を使うことができる。他者の身体を保全し、行為や言葉を理解しあう。これが社会の根本原則です。・・・本文より2020/03/21

B.J.

6
●人間を殺してはいけないのか :殺してはいけないものを、人間というと言ってよい。 ●殺してはいけないのが  他者であり、他者を尊重するのが市民社会。他者を尊重するからこそ、自分も尊重されるのです。 ●すべての社会は他者を殺してはいけないのですが、それは自分と他者を同等に尊重するという原則から出発しているからです。人間は身体をもって生きている。身体があるから行為をし、行為には意味があるから言葉を使うことが出来る。他者の身体を保全し、行為や言葉を理解しあう。これが社会の根本原則。・・・本文より 2020/02/20

袖崎いたる

4
心の概念の再構築を促す一冊。やっぱり心なんてものはないってわかるが、それでも心なんてものがあるってわかるよ。心不要論を叫ぶ前に読む一冊。2018/07/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/509194
  • ご注意事項