ちくま新書<br> 安政江戸地震―災害と政治権力

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安政江戸地震―災害と政治権力

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057006
  • NDC分類 210.58
  • Cコード C0221

内容説明

大地震がいつ起きたかは決定的に重要であった。1703年の元禄地震では幕府はびくともしなかったが、1855年の安政地震ではがたがたになった。もう自然災害の範囲で食い止められなくなっていたのである。巨大災害は、一国の政治経済、社会生活、世相風俗に潜在していた諸内因をいちどきに顕在化する。江戸の地殻に走った亀裂が、やがて徳川幕府の基盤を掘り崩して政権瓦解に至る歴史のうねりを臨場感溢れる筆致で描く。

目次

第1章 歴史は揺り返す
第2章 地震前夜の江戸
第3章 江戸官庁街直撃―安政2年10月2日夜・その1
第4章 日本橋と深川―安政2年10月2日夜・その2
第5章 世は安政、民のにぎわい
第6章 運命の卯年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雨巫女。@新潮部

14
《私‐図書館》江戸の徳川幕府は、震災をどう乗り越えたか、気になるが、たいした対策があまり見受けられず、がっかり。2011/06/10

kenitirokikuti

8
図書館にて。三陸沖の貞観の大津波(869年)の前年、播磨・山城で地震があり、京都も揺れている。菅原道真が受けた870年の省試には「地震を弁ず」という出題あり、『菅家文草』によると「政、以て五行を威侮するときは、則ち造化或いは猶その法を失す」と天譴説する▲『源氏物語』に地震は登場しない。『方丈記』の描く地震の年には平家が滅んでいる▲村岡素一郎『史疑』(1905)には「今を距(へだつ)ること十余年前、偶々感得するところりき」。明治24年の濃尾大地震である。2023/01/25

Arte

1
関東大震災と異なり、直下型地震だったそうで、地区により被害の大小がくっきり分かれたらしい。私にはよく分からないが、都内在住の人は今後の参考にできそう。図版がたくさん載っていて、当時の被害を描いた絵が色々と正確なのと、直後にたくさん刷られたという鯰絵が超可愛いのが面白かった。それにしても、この地震でたまたま甚大な被害を受けた上に、この先も酷い目に遭い続ける会津藩主が気の毒。2020/07/12

うえ

0
町奉行所の迅速さ●1炊出し2御救小屋3怪我人手当4必需品集め5職人呼集6買占警戒…「災害時には当事者のうちもっとも優秀な部分が能力を発揮する。だが同時にもっとも劣った連中も目立ってくる…どちらの側にイチシァティヴをとる大渦が現れてくるかが国家行政を左右する」「「千坪ぐらいの仮小屋は半日に出来てしまう仕組が常に用意してあった」と長敬はいう」緊急時インフラの整備「70年代の日本で若者のいちばん優秀な才能が政治はもとより文学に向かわずポップアートやアニメ,ロック音楽に流れた…1850年代の若者は三味線を持った2014/10/25

長井誠太郎

0
江戸の火事対策(土蔵・瓦屋根)が直下型大地震には被害を拡大させるのは皮肉、地震・コレラ・インフルエンザ・はしかの流行が維新の背景にはあるのだなと実感。あとやはり下町に住むのは怖い、東京に住む人は地盤のしっかりしたところに住むといいですよ2013/12/16

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