ちくま新書<br> 忠臣蔵―赤穂事件・史実の肉声

ちくま新書
忠臣蔵―赤穂事件・史実の肉声

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480056146
  • NDC分類 210.52
  • Cコード C0221

内容説明

「忠臣蔵」事件とは一つのコードネームである。時代は元禄の末。歴史では赤穂事件といわれる江戸城内の刃傷・浅野内匠頭の切腹・その遺臣団の吉良邸討入りと続く一連の出来事は、やがて国民伝説にまでなった。事件は当初から文学化されて世間にひろまった。その文学性のオーラを取り払ったら、そこに何が見えてくるか。史実は時として文学よりも深い光を放つ。この一冊は史料から聞こえてくる元禄武士のなまの肉声を聞こうとする。

目次

元禄十四年三月十四日
江戸と赤穂
城明渡し―一家離散―潜伏
元禄十五年十二月十四日
元禄十六年二月四日まで

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BIN

6
忠臣蔵に関して1次資料を基に「義士」「不義士」と区別せずに解説されたものです。堺屋さんかの作品で吉良所領の塩の問題が挙げられてたような気がしますが、どうやら関係なさそうとのこと。討ち入り後の4大名家お預けになった際に討ち入りの詳細を聞いた波賀清太夫と堀内伝右衛門は良い仕事をしたし、好人物。2021/06/20

silk

5
忠臣蔵事件を一級史料に基づいて忠実な再現を志している。あとがきに書いてあったが、1月の電話で8月までに書き上げるように言われたという。このあとがきを書いているのが7月26日で、発行が11月20日。研究者とはいえ、短期間で一冊の本を書き上げた著者に脱帽する。2013/03/16

がっち

2
忠臣蔵事件をあまりしらない私には少し読めそうにないなって感じた。正直この本はある程度の知識がないと読めないかなとおも思う。また一度忠臣蔵の本を読んでからまた読みたい本である。2013/06/13

いぬかいつまき

2
「忠臣蔵」としてあまた人口に膾炙される赤穂事件の実態を、後世の潤色なしに当時の史料と向き合って新書にまとめた良作。 大石内蔵助をはじめとするタレントの活躍も、事件ののち赤穂浪士たちに事情聴取をした役人など、彼らの近くで史料を残した人々がいてこそ。こういう生の記録の持つ重みは、虚構をいくら重ねても敵わない。 赤穂浪士たちの全員切腹という見事な処断に荻生徂徠の献策があったとは寡聞にして知らなんだ。一つの事件が色んな人を巻き込んでいく面白さ、月並みだけどそんなことを感じる。2011/10/07

denz

2
「義士」「不義士」というような物語的区分けをせず、史料を元に相互不信、内部分裂を含みつつも、「パーフェクトゲーム」を成し遂げた組織を浮かび上がらせる。赤穂浪士処分の際に、老中評議が助命に動いた際、荻生徂徠の巧みな法理論(徂徠は彼らをまったく「義」とは考えなかったが、世論に配慮して「義」を認めた上で斬罪ではなく切腹とした)を採用することで危機を乗り切った柳沢吉保の手腕は大したものだ。老中に引きこまれたら、ペリー来航時の阿部正弘政権のように公議輿論を政治の場に引き出していたかもしれない。2011/02/24

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