内容説明
文学研究につねに新領野を切り開きつづけた著者による、オリジナルな、そして最後の仕事。読書のユートピアに向けて!
目次
第1章 読書のユートピア
第2章 書くことと語ること(日本近代文学の成立;小説とは言語なり)
第3章 言葉と身体(横たわる姿勢;メタファ;円陣を組む女たち)
第4章 コードとコンテクスト(作者名;主人公;立身出世というコード;物語のコード分析―『三人妻』の場合;物語の漸層法)
第5章 物語の構造
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
8
文学テクスト(さまざまな読みを可能にするコードを織糸にして織られたかのような全体性を持つもの)を読むということが、読者にどのような読みの可能性を提示しているのかについて述べられている。たとえば読みの切断可能性を持つ書物の迷宮性について。たとえば言葉の概念の内包(意味するもの)を前提にした「言葉から人間へ」から、概念の鏡像化(欲望された意味するもの)が起こっているゆえの「人間から言葉へ」について。 たとえば文学テクストの立ち現れるトポスが現に支配的なシステムの彼岸にあることについて。など。未完なのが残念だ。2015/12/01
笠井康平
0
愛△