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ちくま文庫
水曜日は狐の書評―日刊ゲンダイ匿名コラム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 425p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480039224
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0195

内容説明

お父さんたちが通勤電車で手にする夕刊紙「日刊ゲンダイ」で22年間の長期連載となった〈狐の書評〉。小説・マンガ・写真集など、取り上げる本は幅広い分野におよび、紹介された本よりも、書評のほうが面白いとのウワサもちらほら。絶妙な文章、鋭い論理、わずか800字に込められた本への異常な愛情は、読者を興奮させずにはおかない!狐の書評最新版、文庫オリジナル。

目次

「淀長節」は生きて血の通う映画史である―淀川長治・山田宏一著『映画は語る』
早世した作家の話芸の達成点を示す―織田作之助著『夫婦善哉』
マンガ家の意地を見せる高度な達成―原作酒見賢一/脚本久保田千太郎/作画森秀樹『墨攻1』
火の玉として生きた明治の女の生涯―相馬黒光著『黙移 相馬黒光自伝』
東海林さだおのエッセーは当代無二―東海林さだお著『駅弁の丸かじり』
なぜ村上春樹が「病みつき」になったのか―グレイス・ペイリー著/村上春樹訳『最後の瞬間のすごく大きな変化』
小さな「島」も見落とさない思想地図―鹿野政直著『近代日本思想案内』
「色彩」を見、感じ、語る文章の独創―志村ふくみ著『母なる色』
ここまで来たか、ナンシー関のテレビ評―ナンシー関著『耳部長』
図書館好きによる図書館利用の極意―辻由美著『図書館であそぼう』〔ほか〕

著者等紹介

[キツネ]
匿名の書評家。1981年2月から夕刊紙「日刊ゲンダイ」で書評コラムの執筆を開始、2003年7月までに1188本の書評を発表。そのほかの雑誌でも活躍中。「日刊ゲンダイ」のコラムは、現在休載中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりくに

21
大新聞がつまらないので(もっとも最近、三流週刊誌のような記事を読ませてくれる大新聞もあるが…)時々「日刊ゲンダイ」を買っていた。でも、そこにこんな痛快な書評が載っていたなんて!!やはり「色眼鏡」で見ていた自分が恥ずかしい。「狐」氏のことは、中野翠さんのコラムで知った。彼女の遠い親戚とのこと。彼はほとんどの書評を「日刊ゲンダイ」に書いた。彼は同紙を「いささか野蛮で、大胆不敵で、どこまでも陽性」と評しているが、それはそのまま彼の書評に当てはまる。800字に、タブーなく、切れ味鋭い「断言」が並び心地よい。2017/06/09

緋莢

19
「日刊ゲンダイ」の水曜日に発行された号に載った書評をまとめた本。1981年から始まった長期連載だったが、2003年7月で体調不良のため降板、この本には、1999年5月後半から最後までのものが収録されています。“狐”は本名を明かさない匿名の書評家で、2006年に亡くなる直前 本名を明かした(wiki情報)らしいですが、その辺の事情は全然知りませんでした。この本を買ったのも、刊行当時(2004年1月)に、書評集という事で興味を惹かれて手に取ったという程度のもので(続く2020/06/07

ホークス

17
少し古いがピリッと締まった書評。自信があるのに採用されないと嘆く投書家に対し、白洲正子は「専門家は自信など口にしない。書くことへの止むに止まれぬ気持ちが欠けている」と厳しい。著者はここに白洲の危うさと卓越した個性を見る。大道珠貴の感性を「家や学校や職場で生暖かい関係を平気で押しつけてくる者たちの無神経さに辟易するが、家や学校以外もまた生きにくい」とした上で「この卓見によって、ねじれた形でありながらも世間との間になんとか始末がつく」と結ぶ。自分に嘘はつかないが意味あるものは認める、一つの成熟の形だと思う。2015/11/15

KAZOO

11
前に文庫ではない本で、筆者の本を何冊か読んでいました。今回も重複しているのですが、何度読んでも、まだ読んでいない本が読みたくなって本のページは付箋でいっぱいになっています。自分もノートなどに読後感などを書いているのですが筆者の域にははるかに及ばない、と観念しながらも続けています。これだけの短い書評で読者に読みたいと感じさせる力は只者ではないと思います。もう筆者の書評が読めないとは残念至極です。

Nekono

5
坪内さんか斉藤さんの本で紹介されていて読んだ本。書評で紹介されていた書評集という早口言葉みたいな経緯で読んだのだけれど、これが、当たりでした。短い中にぎゅっと中身が詰められている。この本からこう来るかという驚きもあったり、あるいは他の人の書評と比べたり、自分の感想と比べたりとなかなかに楽しい。むろん、中には異論ありありの書評もありますが、しかし、自分にはこういう表現はできないなぁと舌を巻くことしきり・・・。本を読むということの楽しさや奥深さを短い文章の中から味わうことが出来ます。2011/09/08

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