ちくま文庫
田中小実昌エッセイ・コレクション〈3〉映画

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  • サイズ 文庫判/ページ数 379p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480037435
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

昼間は映画、夜は酒、ほかになにかすることあるの?浅草、銀座、川崎と、映画館のあるところならどこへでも出没するシネマディクト田中小実昌が、今日も今日とてバスに乗り込み、芸術映画からポルノ映画までありとあらゆる映画を観戦する!名画座が林立していた時代の資料としても貴重な証言。

目次

第1章 1964~1965(息子を信じる前にごらんなさい;題名に苦労した「怒りと響きの戦場」 ほか)
第2章 1974~1976(首がないと美人にならないのかナ;訛りもぜいたくのうち ほか)
第3章 1977~1980(ウィドマークの「スクワーム」;バスか映画か ほか)
第4章 1979~1982(ガード下の映画館;今日は、どちらのポルノを? ほか)
第5章 1977~1988(ぼくのB級映画館地図;せっせと映画を ほか)
第6章 1988~1990(浅草の劇場;渋谷の映画館 ほか)

著者等紹介

田中小実昌[タナカコミマサ]
1925年東京生まれ。東京大学文学部哲学科中退。バーテン、香具師などを転々とする。H・チェイス、R・チャンドラー、C・ブラウンの名訳で知られる。「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で第80回直木賞、『ポロポロ』で第15回谷崎潤一郎賞を受賞。2000年2月アメリカで客死

大庭萱朗[オオバカヤアキ]
1962年北海道生まれ。出版社勤務を経て、文芸評論家・フリー編集者として活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

24
コミさんは相変わらずだ。激動の時代を月に数日小説を書き、あとは映画鑑賞とお酒と女性との逢瀬で過ごす。もちろん、作家の言葉を真に受けるほどアホらしいことはないのだけど……稼いでいたわけでもないし、文壇でも威張れるほどエラいポジションにいたわけでもないコミさんだけど(むろん、コミさんは玄人筋からは極めて高く評価されていたことも確か)それがどうしたの、とフェアな姿勢で好奇心旺盛に名作からポルノまで同じ視点で鑑賞する。でも、女性に妙にフェティッシュに触れるのは性だろうか。いつもバスに乗って人生を楽しんだ記録たちだ2020/07/03

Bo-he-mian

11
塵も積もれば山となる、とはよく言ったもので、外でメシを食う時のヒマつぶし用にぽつぽつと読み継いでいた本書が、いつの間にか読み終わっていた。「コミさん」こと田中小実昌氏は、チャンドラーなどのハードボイルド小説の翻訳や、小説、エッセイ、そして時々エッチな映画に出演するオジサン(笑)として知られた人だ。コミさんは大の映画好きで、ヒマな時は一日中映画館をハシゴして映画を観まくる。これはそんなコミさんによる映画エッセイだ。と言っても、肩が凝るような映画評ではなく、気ままに綴った雑記帳という感じ。2020/07/13

giant_nobita

6
エッセイの初出、映画タイトルの索引が載っていないのが不満。同じエピソード(映画館の柱が邪魔で映画が見えなかった)が3回くらい出てくるのも編集者の資質を疑う。映画の内容についての鋭い言及は少ないが、映画館への道のりや、鑑賞料金・食事の代金が細かく書かれているので、昭和の映画鑑賞の雰囲気は味わえる。2019/10/07

TOMYTOMY

2
とんでもなく本数を見る小実昌さん。過去の映画館事情の貴重な資料。2022/08/29

shinsei1229

1
場末の映画館で観るくだらない映画には、なぜ、独特の味わいがあるんだろうか。B級のもつ何かが、くせになる。2012/07/16

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