内容説明
『重力の虹』など、現代アメリカ文学史上に聳える3つの傑作長編を発表後、十余年の沈黙の後に、天才作家自身がまとめた初期短篇集。「謎の巨匠」と呼ばれてきたピンチョンが自らの作家生活を回顧する序文を付した話題作。ポップ・カルチャーと熱力学、情報理論とスパイ小説が交錯する、楽しく驚異にみちた世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
6
アメリカ文学を慶應通信夏期スクーリングで履修し、確か、ピンチョン氏の作品にも触れられていたので、いつか借りようと思っていた。1984年初出。のろまな子 とのことだが、人生、生き急ごうが、ゆっくり歩もうが、その人の価値観次第であろう。「エントロピー」の編。環境経済学や熱力学の概念だが、文学にも出てくるとは。情報のわからなさの意味にも(解説292頁)。2013/03/18
Ecriture
2
序文が一番価値があるよね。序文を逆立ちして読める人にだけピンチョンの論文を書く資格がある。2008/09/01
kobaatsu
1
解説を読んでから読み直す。滋味深い。つか初読は雰囲気だけ。2008/09/29
imyaaka
0
最後以外はピンとこなかったなあ。完全な力不足。2014/02/02
空虚
0
多分再読なのだけど、内容を全く忘れてしまっていた。以前の読んだときはあまりピンとこなかったけれど、今回は比較的楽しめた。けれども、実は序文に載せられた、ピンチョン自身による、自嘲的な、詳細すぎるほど詳細な解説が、最も面白いかも。2013/08/16