内容説明
ママとパパは別れるし、彼女はふいにいなくなっちまうし、ついでに犬も死んじまった。僕の人生、さいきんちょっと暗いぜ―。アメリカのミドルクラスの少年少女たちが直面する人生の残酷と倦怠を巧みな筆で描き出す新進作家の短篇を、山際淳司の名訳で贈る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
332
ピーター・キャメロンは初読。そもそも本書が彼のデビュー作であり、本邦初訳。翻訳者は作家の山際淳司。訳文は作家らしく、こなれた読みやすい文章。長編小説のつもりで読み始めたのだが、巻頭の表題作はあっけなく終わってしまった。全部で14篇からなる掌編小説集。いずれもごく普通のアメリカ人の生活の日常をさりげなく描いたもの。例えば、表題作はママが離婚し、新しい父親と暮らす僕(16歳)の日常が、そして「夏、ポートランド」では失業中の僕の一日が、淡々と描かれる。さほど物語めいたところもない。そこがいいのだといえばそうだ。2020/02/01
ハジ
2
少年期に過ごした夏の倦怠や身近な人との関係性における諦観を見事に描いている。10代の頃、その名文に憧れた山際淳司さんが翻訳しているというのがまたなんともいえずじわーっとくる。2010/09/08
丰
0
Y-102002/12/03
ミメイ
0
☆4