内容説明
諸国村里の生活には書物では説明できぬ色々の現象有之候―その中でも最も不思議なシャグジという神々への信仰、さらには境に祀られる十三塚について考究した『石神問答』。本書は、喜田貞吉、白鳥庫吉、佐々木喜善らとの往復書簡の形式で、日本の民間信仰研究の基礎を築いた先駆的作品である。おもに東北地方の旧家に行なわれるオシラサマ信仰が日本人の固有信仰の根源を示す重要な文化様式と捉え、養蚕の起源譚やオシラ祭文と巫女との関係などを掘り下げて、ロシア人留学生ネフスキーの着眼をさらに展開させた『大白神考』他。
目次
石神問答
大白神考
みさぎ神考
田社考大要
塚と森の話
十三塚
境に塚を築く風習
七塚考
耳塚の由来について
民俗学上における塚の価値