内容説明
小品、評論、初期の文章の代表作品収録。詳細な語注付き全集完結。
目次
小品(京に着ける夕;文鳥;夢十夜;永日小品;長谷川君と余;子規の画;ケーベル先生;変な音;三山居士;初秋の一日;硝子戸の中)
評論(作物の批評;写生文;文芸の哲学的基礎;創作家の態度;田山花袋君に答う;文壇の趨勢;コンラッドの描きたる自然について;明治座の所感を虚子君に問われて;虚子君へ;道楽と職業;現代日本の開化;中味と形式;文芸と道徳;私の個人主義)
初期の文章(倫敦消息;自転車日記)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
65
漱石の小説以外の文章と初期の文章がおさめられています。特に小品と言われる作品が良いと思いました。中でも『夢十夜』がファンタジックで好みです。2020/05/27
けやき
38
夏目漱石の小品と評論。「夢十夜」と「私の個人主義」が目当てだったが全編読んだ。2023/08/25
tokko
20
いや〜、長かった。最後の小品集や評論、各々はそれほど長くないのだけれど、ひとつひとつズシッと重い。長編のように途中で少し休憩を入れたり力を抜いたりするわけにもいかず、集中力と根気が必要でした。(それでも途中訳がわからなくなったりもしましたが)そして漱石イヤーが8ヶ月も過ぎ、ようやく全集を読むという目標が達成。途中、読みたい本がたくさん出てきて目移り→漱石は中断という我ながら意志の弱さを実感した日々でした。2017/08/18
Kaorie
12
夏目先生の小品や評論、講演を書き起こした物。夏目先生が書いた作品の中でも一際美しさの目立つ「夢十夜」や「文鳥」、随筆「硝子戸の中」など短編の名作が揃う。「私の個人主義」や「現代日本の開化」など当時の日本の置かれた状況を垣間見られる物も。中でも面白いのは倫敦留学中に書かれた「自転車日記」神経衰弱に陥った夏目先生が自転車に乗る練習をするというだけのものだが、自虐的でユーモラス。自転車に乗れるようになるまでってこうだよねーというのは今も昔も変わらない。全然出て来ないけど、ブレーキってものはなかったのかな・・・2014/03/29
i-miya
10
道具屋のがらくたといっしょに小さなざるに入り夜店にさらされた、姉にかわいそうと連れ戻されたが、ある日また養子に、塩原昌之助、養家の昌が日根野かつという後家とねんごろになり、養母やすは漱石とともに夏目家へしばらくしてもどる。本当の両親を爺婆とのみ思う、真実(父母だとのこと)を教えてくれた下女の「親切」がうれしい、まあどうかこうかいきています。びっこで結伽のできなかった大燈国師、大徳寺。ロンドンで浅井忠と市中を歩く、あれはよい、これはよい、ばかり、M31東京美術学校教授、M32仏留学。 P447 ユゴーはしば2006/07/23