出版社内容情報
『注文の多い料理店』｢オツベルと象｣｢グスコーブドリの伝記｣｢雪渡り｣｢やまなし｣他７篇及び初期短篇等を収める。
【解説： 天沢退二郎 】
目次
『注文の多い料理店』
雪渡り
やまなし
氷河鼠の毛皮
シグナルとシグナレス
オツベルと象
ざしき童子のはなし
猫の事務所
北守将軍と三人兄弟の医者
グスコーブドリの伝記
朝に就ての童話的構図
生前発表初期断章
初期短篇綴等
「短篇梗概」等
手紙
劇
著者等紹介
宮沢賢治［ミヤザワケンジ］
１８９６年（明治２９年）、岩手県花巻市に生まれ、１９３３年（昭和８年）、３７歳で没。県立盛岡中学を経て、盛岡高等農林学校卒。幼い頃より宗教に親しみ、植物、鉱物採集にも熱中、また短歌も数多く作る。２２歳頃初めての童話を書き、以後、創作と農業指導に献身。この二つの道は、賢治の短かい生涯を貫く、重要な柱となる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mii22.
70
【娘の本棚】宮沢賢治の童謡集で気になったフレーズ♪おつきさんおつきさん、まんまるまるるん「かしはばやしの夜」と♪キック、キック、トントン「雪渡り」を。それぞれ人と植物、人と動物の掛け合いが軽快で愉しい。「雪渡り」の幻燈会での子供たちと狐の生徒たちの交流はほのぼのと可愛らしい。また狐の紺三郎の言葉には自然と涙があふれてくる。心洗われるとはこういうことだろうと思った。そして四郎とかん子を兄たちが迎えに来る情景の美しさにさらに心洗われる。2020/07/10
優希
64
童話の世界の夢が色濃いような気がします。イーハトーヴの世界を強く感じました。異稿が多いのには驚かされますが。『グスコーブドリの伝記』の空気感が特に好きです。賢治の世界は小説でありながら童話の色彩をまとっているように思えてなりません。2020/06/05
レアル
60
この巻辺りまで来るとよく知る代表的な賢治作品が多いためか、勢いでこの巻を読み終える。賢治の小説はどれも賢治の思いをストレートに伝えてくるものばかりなので、彼のピュアな生き方、そして思想と物語を通して賢治自身を感じられる！が、そんな小難しい事を抜きに、この辺りの時代までになると賢治の作品は、初期の頃の作品と比べて童話集として素直に楽しめる。2017/02/20
優希
45
童話の夢の世界が凝縮されているようでした。ファンタジーで可愛らしい物語が多かったと思います。2022/08/17
tonpie
19
ご無沙汰しております。しばらく小説書きに夢中になってしまい、まともな読書がありませんでした。小説は酒を飲むと書けないので、一日の終り、明け方の寝る前に飲んで、さて何かを読みたくなった時、この本がありました。この文庫全集８巻は、後半４冊が童話で、前半の４冊が詩や短歌。詩はストレート過ぎるので避け、童話の最後の巻から読んでいます。何と大胆で自在な書きっぷりか。動物も植物も子供も、鉱物さえもが物語を持って語りかけてくる世界。 小川未明も似たようなモチーフで大量の童話を残していますが、明らかに違います。↓ 2021/10/09
