出版社内容情報
賢治の全作品と異稿を、綿密な校訂と定評ある本文によって贈る文庫版全集。本巻には、『春と修羅』「春と修羅第二集」他を収録。
【解説: 入沢康夫 】
目次
『春と修羅』
『春と修羅』補遺
「春と修羅 第二集」
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
64
第1巻から詩集です。数々の詩を読んでいると、賢治は独特の感性を持っているように思えてなりません。風景が目の前に見えるようでした。万人受けするかと問われればそうではないかもしれませんが、個人的には好みです。『春と修羅』というタイトルも好きです。2020/05/29
レアル
64
春と修羅。昔は注釈や意味を一つ一つ確認しながら読んだりもしたが、今は文字を追うのではなく、頭を空っぽにして意識で読むようにしている。すると視点を合わせて見ると何の絵か分からなくても、焦点をぼかすとじんわり浮かび上がってくる絵のように賢治の詩の良さが見えてくる。現代仮名遣いにないふんわりと空気を含んだ様なやわらかさのある旧仮名遣い。文字配列等視覚的にも独創的な詩。賢治のこの作品は読むというより文字に吸い寄せられるという表現の方が正しいのかもしれない。。2016/08/23
優希
45
独特の世界があるように思います。詩集ですが、賢治にとっては心象スケッチとして書き残したものなのですね。イーハトーヴの世界の原点のような気がしてなりません。2022/08/16
たつや
45
「春と修羅」が読みたくて読了。わたしという現象は、う~ん、全体的には難しい。一度読んだだけでは私の頭では理解できない。2017/05/23
風太郎
11
詩の読解は苦手なのですが、宮沢賢治の感性が独特のものだということは、はっきりと伝わってきます。動植物・天文・気象・地質・宗教を土台に、擬人化してとらえたり、音・光の表現に独自のものを求めていたり、様々な工夫が凝らされています。それがはっきりしているのは、後半に載せられている異稿で、この部分を見ると、作品を作るうえで、色々な試行錯誤がなされていることがわかります。宮沢賢治は感性が豊かと言われますが、ここで見られるたゆまぬ努力が、彼をそうさせ、私たちに良い作品を遺してくれたとのだと思います。2018/02/28