出版社内容情報
100以上のブリテン諸島の巨石遺跡を巡った著者が、最新研究をもとにその謎と歴史を整理する解説書の決定版。カラー図版多数。
内容説明
世界で最も有名な遺跡なのに、謎ばかりの巨石建造物ストーンヘンジ。いったい誰がつくったのか?何のために建てられたのか?石はどうやって運ばれたのか?その謎は、学者、考古家、秘密結社などの多くの人びとを魅了し、彼らはこの遺跡を熱心に発掘・研究し、古代に思いを馳せてきた。本書は、百以上のブリテン諸島の巨石遺跡を巡った著者が、最新研究をもとにその歴史と謎を整理する解説書の決定版である。
目次
第1章 ストーンヘンジはどういう遺跡か(ストーンヘンジはどのような姿だったか;精緻な加工技術 ほか)
第2章 ストーンヘンジを見る目の歴史(英雄物語の中のストーンヘンジ;高まる古代世界への興味 ほか)
第3章 発掘の時代(石と青銅と鉄と;新たな崩壊、本格的な発掘調査 ほか)
第4章 巨大な複合施設の中のストーンヘンジ(さらに遠い過去へ;農耕文化の伝搬 ほか)
第5章 始まりの地から終末へ(西ウェールズから運ばれた遺骨;ブルーストーンの故郷へ ほか)
著者等紹介
山田英春[ヤマダヒデハル]
1962年東京生まれ。国際基督教大学卒。ブックデザイナー。古代遺跡・先史時代の壁画の撮影を続けている。石の蒐集家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
16
読んでいて自分の持っていたストーンヘンジの情報がすごーく古いことが分かりました。と言うよりはほぼ空想の世界だった。発掘結果に基づくといきなり石が建てられたのではなく、土塁と堀から始まり1500年と言う長きにわたって変化し続けた建造物と言うことで、青銅器鉄器の流入で終焉を迎えるのだそうです。人々がストーンヘンジをどうとらえてきたか、そして今もストーンヘンジに何を見ているかと言う話もとても興味深かったです。解からない事だらけな物ってその時代の流行り廃りで好き勝手なこと言われるんだなぁ。写真も豊富で美しい。2023/03/21
タイコウチ
7
イシグロの「忘れられた巨人」からの流れでなんとなく手にとった新刊書。ブリテン諸島に散在する巨石建造物をめぐる「伝説」から最新の研究知見(今世紀に入ってからの成果も少なくないという)までが手際よくまとめられている。しかし本書の魅力は、なんといっても著者自身が長年にわたり英国各地を周って撮影してきた写真がふんだんに使われているところ。著者のいう通り「眺めていても、作り手の心象や社会の姿がイメージできるような具体的な手がかりが見当たらない」「具体性や自ら語るものの欠如」に私たちはつい惹き込まれてしまうのだろう。2023/02/18
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2023年1月初版。書き下ろし。年刊百万人が訪れる世界有数の歴史遺産「ストーンヘンジ」。だが、同時に「世界のガッカリした観光名所」のトップスリーに入り続けている。コ・ス・パ悪し。2023/04/30
WA
2
ストーンヘンジとその関連遺跡について、現時点で分かっていることを誠実にまとめている、優れた書籍。写真や図版、参考文献リストも素晴らしい。写真についてはもっと大判でも見てみたい。あと、《さくいん》があればもっと良い。でも、とにかく読んでよかった。2023/05/31
kaz
2
今までストーンヘンジ単体の写真を眺めるくらいしか興味が無かったが、ヨーロッパの巨石遺跡、巨石文化という括りで結び付けて考えると、想像の範囲が大きく広がる。図書館の内容紹介は『世界で最も有名な遺跡だが、謎ばかりの巨石建造物ストーンヘンジ。100以上のブリテン諸島の巨石遺跡を巡った著者が最新研究をもとに、その歴史と謎を解き明かす。カラー図版も多数収録』。 2023/05/27