出版社内容情報
天皇制と祖先崇拝、新宗教という三つの柱を軸に、戦後日本の宗教の歴史をたどり、日本社会の精神がどう変容したかを明らかにする。
内容説明
戦後日本では、敗戦による国土の荒廃、高度経済成長による都市化と資本主義の高度化、さらには冷戦、バブル経済の崩壊などが起こり、それは宗教の世界にも大きな影響を与えた。天皇制・祖先崇拝・新宗教という三つの柱を立て、どのように今の大きな転換期に至ったかをたどり、戦後日本社会の精神の変容を明らかにした、初めての書。
目次
1 敗戦と混乱期(敗戦によって国家神道体制はどう変容したのか;『先祖の話』のもつ意味;敗戦が生んだ新宗教;宗教をめぐる法的な環境の転換)
2 高度経済成長と変化する戦後の宗教(戦後の天皇家が失ったものとその象徴としての役割;創価学会の急成長という戦後最大の宗教事件;創価学会の政治進出と宗教政党・公明党の結成;靖国神社の国家護持をめぐる問題;戦後における既成仏教の継承と変容)
3 高度経済成長の終焉と宗教世界の決定的な変容(政教分離への圧力その創価学会と靖国問題への影響;オイル・ショックを契機とした新新宗教概念の登場;靖国神社に参拝しなくなった昭和天皇の崩御;創価学会の在家主義の徹底と一般社会の葬儀の変容;オウム真理教の)
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年、東京に生まれる。宗教学者・作家・東京女子大学非常勤講師。東京大学文学部宗教学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学助教授、東京大学先端科学技術センター特任研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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