筑摩選書<br> 敗戦と戦後のあいだで―遅れて帰りし者たち

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筑摩選書
敗戦と戦後のあいだで―遅れて帰りし者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015495
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0336

出版社内容情報

戦争体験を抱えて戦後を生きるとはどういうことか。五味川純平、石原吉郎、横井庄一、小野田寛郎、中村輝夫……。彼らの足跡を通し、戦後日本社会の条件を探る。

内容説明

敗戦後、歴史的力により戦地から本国への帰還が遅れてしまった人びとがいる。復興から経済発展へのパラダイムが形成されつつあるなか、拭いがたい違和感や齟齬をかかえ、彼らは戦後という時間をいかに生きたのか。五味川純平、石原吉郎、横井庄一、小野田寛郎、中村輝夫…。本書は複数の周縁的・両義的存在の歩みを丹念に読み解き、もうひとつの歴史を描きだす試みである。戦後日本社会を構成する条件とは何か、いま一度根本から問う。

目次

第1章 戦いが終わって―映画の中の帰還者たち
第2章 五味川純平と『人間の條件』―帰還できなかった梶上等兵の物語
第3章 遅れて帰りし者たち―シベリア抑留と抑留者の戦後日本への帰還
第4章 告発せず―石原吉郎のシベリア抑留体験とその内的な問い直し
第5章 英霊の生還―横井庄一をめぐる戦後日本の狂騒
第6章 過去からの救出―元陸軍少尉小野田寛郎と戦後日本との確執
終章 最後の「日本兵」の帰還―中村輝夫/スニヨン/李光輝の戦後

著者等紹介

五十嵐惠邦[イガラシヨシクニ]
1960年、大阪に生まれる。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。シカゴ大学歴史学部Ph.D.。アイオワ大学歴史学部講師などを経て、現在バンダービルト大学歴史学部準教授。専攻、戦後日本文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

21
遅れて帰ってきた者たちは豊かな戦後社会にとっては異物でしかなかった。石原吉郎論が白眉。全体的に非常にスマートさを感じさせる。2022/03/19

kozawa

2
戦後の戦前戦中認識の一面を振り返ろうという。特に中心になるのは五味川純平解釈と、70年代復員兵横井、小野田、中村。興味深くはあるけれど、特に五味川解釈はどうなんですかね。著者自身これまで読まれていたのとは必ずしも一致しない読みをするとしているが。 著者の問題意識の一つ、後の「記憶」は社会化されてのものだ-似たような被害の福井地震と三河地震で後者は戦時報道管制下なので記憶がより薄れている的な-という視点自体はもちろん重要だと思うけれど。2012/11/03

ななっち

1
映画や文学、またはメディアの取り上げ方により、戦後がどのように受容されてきたかということを描いたもの。シベリア抑留、横井、小野田といった順の解き明かしは興味深いものがあります。2012/12/10

takao

0
ふむ2018/03/21

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