筑摩選書
筑摩書房 それからの四十年―1970-2010

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 377p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784480015174
  • NDC分類 023.067
  • Cコード C0300

出版社内容情報

一九七八年七月一二日、筑摩書房は倒産した。新しいメディアを模索しながら、文庫・新書を創刊。営業と物流も変革し、再建をめざす必死のドラマの四十年。

内容説明

創業者古田晁の急逝から5年後の1978(昭和53)年7月12日、筑摩書房は会社更生法を申請、事実上倒産した。去るも地獄、残るも地獄。再建への模索は、はたして功を奏するのか。重厚長大な文学全集からペーパーバック(文庫・新書)の創刊へと舵を切り、営業と物流の大改革を断行しつつ、生き残りをかける。永江朗が描ききる、必死のドラマの40年。

目次

序章 一九六〇年代、たしかに企画は広がった
第1章 漫画全集の毀誉褒貶―「現代漫画」
第2章 子どもの心の起爆剤に―「ちくま少年図書館」
第3章 ここは出版社ではなかったのか?―「ビデオ版 現代臨床医学大系」
第4章 パリからの贈り物―「現代版画」「世界版画大系」から「江戸時代図誌」へ
第5章 古田晁逝く
第6章 思想が現実だったころ―『展望』の一九七〇年代
第7章 『事故のてんまつ』のてんまつ
第8章 筑摩書房のいちばん暑い夏―7・12 会社更生法申請
第9章 去るも地獄、残るも地獄―11・15 更生開始決定まで
第10章 すべてはここから始まった―「更生計画案」認可
第11章 プロジェクトNと読者志向―「ちくまセミナー」から
第12章 ペーパーバックの大海へ―「ちくま文庫」と「ちくま文学の森」
第13章 人文書の星座をつくる―「ちくま学芸文庫」
第14章 悲願、書き下ろしの定期刊行―「ちくま新書」
第15章 書籍だけでやっていく「覚悟」―『頓智』の失敗から
第16章 二つのミリオン―『金持ち父さん 貧乏父さん』と『思考の整理学』
第17章 次世代の読者を育てる―国語教科書とその周辺
第18章 機能している倉庫はキリリと美しい―物流と営業の改革
終章 良書を出し続けるインフラを―「筑摩選書」と筑摩書房のこれから

著者等紹介

永江朗[ナガエアキラ]
1958年北海道生まれ。法政大学文学部哲学科卒。約7年間、書籍の輸入販売会社に勤めたのち、フリーのライターに。現在、早稲田大学文学学術院教授。「哲学からアダルトビデオまで」を標榜する。ライフワークは書店のルポルタージュ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

阿部義彦

10
敬愛する、筑摩書房の社史です。倒産が78年と言う事は、高一の時か。それ迄は単行本主に全集が看板だったとは、初めて知りました。私にとっての、ちくまは、ほぼ松田哲夫さんとイコールと言えます。松田、赤瀬川、南伸坊ラインは、かなり私に影響を与えています。南さんは後にガロの編集長になりますし、つげさんや、水木さんともつながります。松田さんが、失敗した、「頓智」(雑誌)全10冊全て買ってました。でも、そこから後の、ベストセラー「老人力」の、アイデアが生まれたなんて、凄いです。これからも応援して行きます。2015/05/29

Tatsuya Osada Suzuki

3
筑摩書房の1978年の倒産を中心に、その前夜から倒産後の再生への奮闘を描いた作品。関係者が、それこそ命を削って復活にかけた様が、永江氏の読み易い文章で表現されている。一応社史の範疇に入るのだろうけど、70年代から今日までの出版界の衰亡を概観でき、数々の名著も紹介されているので、飽くことなく最後まで読むことができた。「書籍だけでやっていく」という筑摩書房の覚悟がすかすがしく応援したくなる。2014/05/26

nizimasu

3
社史をこんな形で商業出版で出せるのは、筑摩ぐらいだろう。小さくともぴりりと辛いーー山椒のような出版社の一代記は、倒産の時期からスタートする。くしくもどんぶり勘定と当てずっぽうな企画の数々は、時にヒットを生み、在庫の山も築き上げる。ある出版の先人が言っていた「出版や金鉱探しと一緒」という言葉と重なる。教養出版社のストーリーとしてだけでなく戦後の出版史としても実に示唆に富む。今の出版はどうすべきかも暗示的な言葉が並んでいるけど、どうだろうな?2012/05/18

のんき

3
内容は「1970年以降の筑摩書房の社史」。社史といえば普通は社内に編纂委員会みたいなものがつくられてそこで編纂されるというイメージがあるけれども、本書は外部の人に執筆を依頼している。それは一つには倒産という事態を客観的に捉えたいがためだったと思うが、それに加えて読んで面白いものにしたかったという意志の現れでもあると感じた。転んでもただでは起きない、というしぶとさに好感を持った。2012/01/11

kokada_jnet

3
低迷~倒産~再生の40年。低迷期の筑摩が、医療ビデオ全集までやっていたのには驚いた。後書きには、「再生後の筑摩書房は、営業=西ドイツ、編集=東ドイツの、統一ドイツだ」ともある。2011/03/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2419619
  • ご注意事項