内容説明
“笑顔で対応の仕事”や“やさしい看護師”…、感情の演技を求められる仕事=感情労働で心が擦り切れないために。
目次
第1章 「感情労働」という心を売る仕事
第2章 ギリギリの感情労働を生き延びるために
第3章 「人のために働く人」の落とし穴
第4章 暴力を振るう男たちの弱さ
第5章 失われた感情をどう取り戻すか
第6章 「マクドナルド化」する世界
終章 感情労働の時代を生きる
著者等紹介
武井麻子[タケイアサコ]
1949年、東京に生まれる。東京大学医学部保健学科卒業後、同大学院で精神衛生学を専攻する。千葉県にある民間精神科病院海上療養所にて看護師、ソーシャルワーカーとして勤務した後、千葉県立衛生短期大学助教授をへて、日本赤十字看護大学教授。看護師、保健師のほか保育士の資格をもち、保育園の給食調理員、婦人相談所の心理判定員など、さまざまな職種を経験している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
「感情労働とは何か」「感情労働が発生する場面」「なぜ感情労働は疲れるのか」について書いてある。社会では自分の感情をコントロールし、自分の感情よりもその場の状況や環境に合った感情を優先しなければならない。働く人がその人らしく感情を表出出来るのが一番だが、それだと社会が成り立たない部分もある。著者が看護職なので看護場面が中心であり、感情労働で疲労した場合の対処などについて載っていないのが残念。2021/05/12
ユズル
23
世の中に、なんといろんな種類の『感情労働』があることか。著者は看護関係の職業の方なので、主にそれ中心の話でしたが、教師も、会社の受付嬢も、介護員も。あらゆる感情労働の方の話が出てきました。ただ出てきただけなのが残念。これこれこういう理由で感情労働が増えてきたというのは分かる。それの対処法とか考え方とかを知りたかったから、思っていたのとは違ってました。2017/06/25
舟江
10
How to本のようなタイトルと題名であるが、もう少しまともな本である。最初の1/3は非常に面白く、その時点で傾聴のメンバーに読んでもらおうと購入。しかし残り2/3は退屈なる部分だった。トータルでサービス業の方必見の本だと思った。2019/10/25
未知亜
9
看護教育に携わる経験から、職務上感情コントロールを必要とする職業=感情労働者について、個人的見解を並べる。話が広がりすぎて雑談のようだったり、論拠として小説の内容を引き合いにするなど、少々期待はずれだった。結局は、個人の問題ではなく社会問題だと捉えないと解決はない、という結び方。「相手から無理矢理感情を押し付けられているように感じるとき、そこにはメッセージが隠されている」「仕事の質を高めるためにこそ雑談は重要、と気付かない人もいる」などには納得!2014/02/08
えがお
8
東大卒看護学者さんの、感情労働はなぜ疲れるのかという本。閉塞感をなくした客(病院では患者)がサービス労働従事者に甘えに似た怒りをぶつけ、ぶつけられた側は疲弊している…までは分かったのだが、現場からすれば「じゃあ、私たちどうしていけばいいのーーーー?」と投げかけた疑問に対する答えはないまま読了…。構造はよくわかったが、事件は会議室ではなく現場で起こってるんだ!じゃないが、私は別に研究者じゃないので、それじゃ、現場はどうしていけばいいのかまで提案してくれると良かった(。´_`。)。ま、私がハウツー本好きなだけ2013/04/12