わたしが最後にドレスを着たとき―性同一性障害と診断されたある「少女」の回想

わたしが最後にドレスを着たとき―性同一性障害と診断されたある「少女」の回想

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784479570110
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0098

内容説明

十五歳の少女が「不適切な女性」という理由で精神病院に収容された。そこで彼女が受けた治療とは、化粧や髪のカールのしかた、女らしい服装や身のこなし等々の女らしくなるための矯正だった―。本来ならありふれた高校生活を送るべき貴重な青春期を、3つの精神病院で“真性の”精神病患者に囲まれて過ごすことになった、ひとりの少女の苦悩と成長を鮮烈に描く、秀逸のノンフィクション。「性同一性障害」をめぐる問題提起の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ni-ni-

1
読み応えがあって面白かった。15から精神病院で過ごすことになった著者の記録だけれど、精神病院に至るまでの背景も凄まじく、ユーモラスに書いているけれど、暴力や性的虐待・育児放棄などの荒んだ環境の壮絶さが伝わってきた。電気ショック療法などがまだ行われている時代で、患者の人権の低さにゾッとした。女性ジェンダーに馴染めないだけで狂人扱いで問題視される時代があった、そして日本はどうなのだろう、と思うと恐ろしくなる。副題に性同一性障害とあるけど、著者はどう読んでもXジェンダーだと思う。2012/06/05

aftonpsalm

0
同性愛がWHOなどで治療の対象となる精神疾患から外され、性同一性障害に対する治療法も確立してきたはずの1980年代が舞台であるはずなのに、作者に対してなされたまったく正反対の、「身体の性別に心の性別を無理やり適合させようとする」治療方針がとられていたことに深い憤りを覚えた。レッテル貼りをするだけで相手を理解しようとせず、ときに自らの下した医学的診断に翻弄される医者達の様子は、現代の精神医療にも通じる問題だと思う。2012/12/26

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