連鎖破綻―ダブルギアリング

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  • サイズ B6判/ページ数 351p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478930427
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日本経済の浮沈を左右する大手生保危機の全貌を描く問題作。 物語はフィクション。しかし描かれた破綻への構図は今そこにある危機だ!

内容説明

大手生保・清和生命は今、破滅の危機に瀕していた―。最高時には、保険契約高110兆円、資産12兆円を有し、業界トップを伺ったこともある生保の雄に、もはや昔日の面影はなかった。入社以来、生保のクリーンなイメージを影で蠢くダークサイドの処理を続けてきた社長室次長の各務裕之は、音を立てて崩れゆく巨大生保の呻きを、自業自得だと思っていた。しかし、彼には会社を潰せないわけがあった。各務の同期であり、将来の社長候補と期待された中根亮介は、持ち前の正義感とバイタリティが禍し、最も激しい解約の嵐が吹きすさぶ関西支社法人営業部へと左遷され、現場の地獄を知ることになる。連日続く、シェアダウンと、シェアアウトの要請。彼らはそこであらん限りの「きれい事」を並べ、契約維持に奔走していた。東京で続く「救済先」探し。持ってあと半年。このままでは、次の決算を超えることは無理。まさに「死の宣告」を内外から受けながらの闘いは、虚しいばかりだった。チャンスはあった。損保最大手東和海上火災との統合。しかし、統合直前までこぎ着けながら、土壇場で白紙撤回されて、彼らは死地をさまよう「ゾンビ」と化していた。世界屈指のM&A実績を誇る投資銀行ゴールド・マックスのアソシエイト槇塚薫は、清和と外資系生保との合併で自らのキャリアアップを目指していた。しかし、彼女の前で見え隠れするのは、弱肉強食の外資系の日本買いのシビアな現実。そして、陰謀めいた画策だった。自分たちが日本売りの先兵になっている…。このまま自分たちは座して死を待つしかないのか…。誰もの中に諦めの色が濃くなったとき、各務は、高村社長からの密命を受けて、最後の賭けに出る。大手生保危機の裏で何が起ころうとしているのか!その全貌を、世に放つ金融クライシスノヴェル。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

K2

7
(^^)/『連鎖破綻―ダブルギアリング』感想\(^^) 大好きな作家・真山仁のデビュー作品。後に大ヒットする『ハゲタカ』を予感させる面白さ(^_^)v バブル期の生保の実態、生保と監督官庁の関係、企業買収に絡む壮絶な戦い等、臨場感があり引き込まれてしまう。2014/11/20

たに

4
★5 今年最初の一冊。真山仁氏の著作は全部読んだと思っていたのだか、恥ずかしい話、処女作が共著で違うペンネームだったとは知らなかった。結論、非常に素晴らしい一冊だった。相変わらずあっさりとした最後に若干の不満は残るが、見事なプロット、綿密な取材に基づいた圧倒的なリアリティは今の真山氏と比べても遜色がない。2015/01/01

まめちゃん

3
実在する企業ではないとしているが、明らかにA生保をモデルにしていることは間違いない。私がそのモデル企業に関係が深かったので、とても興味深く読んだ。 当時のA生保社内外の混乱が、克明に描かれていた。 もちろん主人公やその背景はフィクションの世界であるが、破綻までのいろいろな事象は間違いなく発生しており、それは作者もまた当該企業の関係者であることを指し示している。 それにしても、そのモデル企業が、ふらふらになりながらも、現在なお生きながらえているのが摩訶不思議である。2013/11/25

月と星

3
★★★★やっぱり、この読後感!「ハゲタカ」に似ている。難解な用語も分かりやすく説明されているので、経済系苦手な方にもお薦めです。自分の保険の見直しを考えさせられます。2009/08/15

GOTI

2
☆☆☆☆本棚の肥やし発掘本4。香住究とは元大手生保課長と今や経済小説のトップランナーとなった真山仁の共同ペンネームです。2000年前後、朝日生命の危機から再生を描くモデル小説です。大手生保の一角清和生命は破滅の危機に瀕していた。「死の宣告」を受けながら再建に向けての闘いは困難を極める。損保最大手東和海上火災、第丸生命、プル、AICとの統合が浮かんでは消え、まさに「ゾンビ」と化していた。外資はこれを機に日本の金融を牛耳ろうと画策する。頼みの金融庁は全く役に立たない。起死回生の一手とは?結末は尻すぼみかな。2020/04/22

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