出版社内容情報
経済の変化と浮沈に人間が翻弄されている。ニューエコノミーに傷ついた人々の体験をたどりつつ個人の尊厳の新しいありかを探る。
内容説明
スピードとフレキシビリティの追求がもたらすものは何か?今日のビジネスの変化が、われわれの生活と自己認識に与える影響は、かつて農業社会から工業社会への移行が与えたそれに匹敵するほど深いことを、本書は示している。
目次
第1章 漂流
第2章 ルーチンワーク
第3章 フレキシビリティ
第4章 判読不能
第5章 リスク
第6章 労働の倫理
第7章 失敗
第8章 危険な代名詞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
6
昨年市の図書館で除籍本をもらった。1998年に書かれており、邦訳が1999年のWTOシアトル交渉決裂、日本の新しい農業基本法ができた年だったことも、日本がグローバル化で失われた10年の最中であったことを鮮明に思い出す。改めて新しい資本主義の弊害という視点で読んでみると、小泉構造改革で新資本主義、つまり、新自由主義の名の下で格差社会が固定化させられ、非正規の身分から何年経過しても脱出できない。そして、さきほどネットで「20代社内NEET」の記事を見たが、失業していなくても首切りはできない中途半端な人もいる。2012/11/04
抹茶ケーキ
0
現代のフレキシビリティを重視する経済体制を新資本主義と呼び、それが人々のアイデンティティや生活の連続性を奪ってきたと主張。わざわざ「新」と形容しなくても、それが資本主義の性質なんじゃないだろうか。あとは原題の『The Corrosion of Character』をここまで変える売らんかなの精神が素直にすごいと思った。2017/05/29
柿の種
0
昔読んだ本を登録しています。2024/04/23