悪意なき欺瞞―誰も語らなかった経済の真相

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  • サイズ B6判/ページ数 141p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478210543
  • NDC分類 330.4
  • Cコード C0033

内容説明

経済の「通説」に秘められた虚構を衝く。市場における真の主役は誰か?経済、金融政策に意味はあるのか?そして、戦争を引き起こす軍産複合体の正体とは?巨人・ガルブレイスの70年にわたる思索、そのエッセンスを凝縮した珠玉の書。

目次

「悪意なき欺瞞」とは何か
「資本主義」という死語
市場における本当の主役
「労働」をめぐるパラドックス
企業を支配する「官僚主義」
「株主主権」という虚構
「官と民」という神話
幻想が支配する金融の世界
「中央銀行制度」という現実逃避
企業経営者の許されざる罪
外交と軍事の民営化
現代経済社会の真相

著者等紹介

ガルブレイス,ジョン・K.[ガルブレイス,ジョンK.][Galbraith,John Kenneth]
1908年カナダ生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。1949年~75年ハーバード大学経済学部教授。現在は同大学名誉教授。J.F.ケネディ政権ではインド大使も務めた。アメリカ芸術文学アカデミー会長、アメリカ経済学会会長等を歴任。20世紀を代表する経済学者の一人

佐和隆光[サワタカミツ]
1942年和歌山県生まれ。東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学研究員、イリノイ大学客員教授等を経て、現在、京都大学経済研究所所長。専攻は計量経済学、統計学、環境経済学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

20
表紙見返しに結論が書いてある、珍しい本。 「社会的な選好、習慣としての選好に加えて、 経済学界や政治学界においては、個人または 集団が手にする金銭的利益が現実を見えにくく するという傾きが、他の学問分野に比べて はるかに顕著である。」 この理由を知るために、読む気にさせる。 2004年初出。 資本主義改め、 自由企業体制という謂いが提案された(24頁~)。 問題なのは、労働が、個人差のとてつもなくつく営み(44頁) という点。 正規/非正規、高収入/低収入はすぐに思いつく。 2014/03/30

wiki

17
現今の世界と日本が経済的にどのような状態であるのか、よくわかった。特に推薦して人にも読んでもらいたい。読了人が少ない事は、売れた本が良書という訳でないことを悟らせる。「景気後退の確実な治療法の一つは、個人消費支出の堅実な伸びを誘う事である。言い換えれば、個人消費支出の低迷こそが、景気後退の元凶なのである。」にも関わらず政策は個人消費を後退させる事を推進している。目下、日本は参議院選挙が近い。真にこの事を理解して、批判だけでない現実的な対策を取ろうとしている政党はどこなるやらん、だ。求めて指導者とすべきだ。2019/06/18

Francis

14
何と16年間も積読していた本。尊敬するガルブレイス先生の本なので捨てずにとっておいたらそんな年月が経ってしまったらしい。内容はエンロン事件後の経済界の状況、あるいはイラク戦争の軍産複合体の動きについて。終わりの方で中央銀行の実施する金融政策は経済成長を促す効果はない、と断言しているが、まさに預言と言うべき言葉。金融政策と対比される財政政策については理論的な事は教授は言っていないが、教育、住宅、福祉など国民生活を支えるための支出が十分に行われていないと語っている。2021/04/15

Humbaba

9
人の行動は必ずしも正しいわけではない。悪をなす時に自覚的に実行することもあれば、無自覚に行ってしまうこともある。不正な行いは別の人がやれば咎められるようなことでも、権力者などの一部の人がやったときには見逃されることも多い。そのような問題があるということを認識しておかないと、ルールを作った側に良いように躍らされることとなる。2017/08/27

yn_redqueen

4
「権力をかさにきた不条理を敢えて追求しないのは、悪かそれとも賢い判断なのか?」『欺瞞』といっても大規模な不正や陰謀について語られているわけではなく「支配者は市場システムではなく売り手」「経営者の目的は自己利益」と寅さん曰く「それを言っちゃあおしめえ」というか「みなまで言うな」という事実に敢えてケチをつけた本。せめて『茶番である』ことぐらいには、自覚的であれということだと思う。加えて作者「戦争は憎むべきである」…ごもっともです!2011/08/03

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