出版社内容情報
バブルは今に始まったものではない。洞察と皮肉のガルブレイスが17世紀以来の歴史をたどりバブルの挿話から苦い教訓を物語る。
目次
1 投機のエピソード
2 投機に共通する要因
3 チューリップ狂、ジョン・ローとロワイヤル銀行
4 サウスシー・バブル
5 アメリカの伝統
6 1929年の大恐慌
7 再び10月がやって来た
8 教訓は歴史から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikada
17
数十年に一度の規模の株価暴落を振り返って、それらに共通する特徴をまとめた一冊。熱狂的な相場がピークを過ぎて暴落すると多くの人は被害をこうむって退場するが、20年程度立つと新しいプレイヤーが参入して同じことを繰り返す。その根底には、市場に欠陥はなく、稼いでいる人にはそれに伴う知性がある…という思い込みがあるとのこと。失敗から教訓を得ても、半世紀もすれば人は死ぬ。だから、大暴落に限らず、同じような失敗を繰り返すのは人類の限界なんじゃないかという気はする。2021/10/30
中島直人
10
バブルは、外部ではなく資本主義、市場の本質からの必然である。にも拘らず過去の歴史は、それを隠蔽しようとしてきたことの繰り返しだとする。非常に説得力があり、また、過去の事例を交えることで読みやすい。我々はいつ、この愚かなルーチンを克服することが出来るのか、著者の諦念が伝わってくるように感じた。2016/10/11
速読おやじ
10
この本もバイブルだなあ。初読は1991年。今読んでも全く色褪せないね。「暴落の前に金融の天才がいる」という箴言は全くもって現在でもあてはまる。98年LTCMの際のブラック・ショールズモデルしかり、リーマンショックの際のサブプライムの証券化しかりである。何かしら「これは新しい金融手法だ」などともてはやされていると、もはや危ないと心してかかる必要があるのだろう。などと客観的ばかりにもなれない。なぜなら僕は金融村の村民。まさに新しい手法を考えなければいけないのだ。どうするオレ!(笑)そして、アベノミクスは・・・2013/07/18
Katsutoshi Maruyama
2
【まとめ】 1.オランダのチューリップバブルから昨今のバブル崩壊まで、発生する要因や人間の考え方は変わっていない。 2.副題である「暴落の前に天才がいる」→ ①失敗から20年程度後(失敗を忘れる期間)、さも革新的な手法(実際は過去に少し手を加えただけ)を生み出す天才が現れる。 ②一見並々ならぬ知性を持つ金融機関トップ(実は官僚政治で最も無害でトップとなったが、金と知性がリンクするため天才と見える)が投資する。 3.レバレッジ(借入等)がバブルを加速させる。 4.バブル崩壊後、金融手法の規制、体2012/07/23
k.f
1
世代が変われば形は変えても本質的に同じ事を繰り返す。 ‐暴落の前に天才がいる‐というネーミングが面白い。''天才''もバブルのストーリーのひとつなのだということを実感できる。2017/01/07