アイアンマウンテン報告―平和の実現可能性とその望ましさに関する調査

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アイアンマウンテン報告―平和の実現可能性とその望ましさに関する調査

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  • サイズ B6判/ページ数 206p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478180167
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0031

内容説明

アメリカを揺さぶり続ける禁断の偽書。60年代末期のアメリカで物議を醸し、封印されたはずの衝撃のレポートが、今また注目の的に。武装極右集団のバイブルとなった危険なロジック。オリジナルのレポートに加え、発行の経緯、その後のメディアの反応を集めた顛末記が収められた九六年発行のサイモン&シュスター社版を全訳。

目次

特別調査グループ報告(本調査の対象範囲;軍備解除と経済;軍備解除シナリオ;社会システムとしての戦争と平和;戦争の機能;戦争機能の代替案;まとめと結論;提言)
補遺・アイアンマウンテン騒動

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

傘緑

41
"戦争"の経済的・社会的必要性を論じた”危険な”本。訳者・山形浩生は本書の主張を以下のようにまとめる。「戦争は国家や社会のためにあるのではない。逆に国家や社会こそが、戦争のために存在している。戦争がなくなれば、今のような国家は消滅する 戦争には、戦闘以外の重要な非軍事的機能がある。しかもそれは社会にとって本質的であり、必要不可欠な機能である 戦争は経済を安定させ、社会をまとめ、階級と貧困を維持し、人々に目的意識を与え、反社会勢力を押さえ、人口を制限し、文化と科学の発展をうながす …平和は危険である(→) 2017/08/15

傘緑

19
「戦争研究における純粋な客観性は、非人間的であると称して非難される…『暖かで人間的ならまちがっていてもいいんですか?すてきで感情的な誤りのほうがいいんですか?』」「なぜ戦争はかくもすばらしいのか?それが人工的な需要を生み出すからだ…しかも、政治問題を引き起こさない唯一の人工的な需要である…」pdf版再々読々。 戦争と平和の危険な関係を分析した偽書であり、ただの小説である。我々の世紀に、くまなく人権の光を受け、すべての人間が平和と友愛を希求する自由の世紀に、このような戦争という現実が実在したとは考えられない2016/09/16

imagine

6
架空の政府機関による偽物の報告書を作成し、さも本物かのように発表するという風刺、パロディ行為。現代だと、バンクシーが大英博物館に自分を作品を勝手に展示する行為に近いか。報告書の主張は衝撃的で、戦争の継続は社会にとって不可欠で、人類存続に必要という内容。当然のことながら当時の世間は騒動となり、報告書の真偽や著者探しの議論が巻き起こる。巻末には当時の新聞記事や書評が併録され、当時の様子を再現。戦争については褒め殺し、平和社会については具体的手段が議論されていない現実をあぶり出す内容は、一読以上の価値あり。2018/11/01

いつき

3
有名な偽書。山形さんがWebで公開してくれてるのでそれを読んだ(http://cruel.org/books/ironmountain.pdf)。概要等は訳者解説(http://cruel.org/books/ironmount.html)に詳しいのでそちらを。正直私はこの文書を論破できない。日本もせめて武器輸出ができれば経済的、技術的に潤うだろうに・・・とか考えているせいもある。訳者解説で山形さんがヒントまでくれてるのにね。2011/11/15

hiratax

2
菊地成孔のDCPRGのアルバムタイトルで知り気になっていた。あるアメリカのシンクタンクの報告書の体裁を取り「戦争を終わらせるためにはどうすればいいか?」と問いかけて、結局戦争は終わらないと無理くりに結論付ける官僚お抱えのシンクタンクを皮肉っている。世界に恒久的な平和が訪れたのちの「異星人の侵略」を想定する徹底ぶり。訳者は山形浩生。知性と妖しさとシニカルな笑いの同居は山形イズムそのもの。本書は留学先の大学の古本市かなんかで見つけたとか。2005/10/20

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