経営行動―経営組織における意思決定過程の研究 (〔2009年〕新)

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  • サイズ B6判/ページ数 567p
  • 商品コード 9784478009130
  • NDC分類 336.1
  • Cコード C3034

出版社内容情報

1978年ハーバート・A・サイモンは「経済組織における意思決定過程の先駆的研究」を理由にノーベル経済学賞を受賞した。本書は、組織を「情報の授受を媒介とする意思決定のシステムであるととらえている。個としての人間は「限られた合理性」を達成することができるだけだが、本書では、組織の意思決定機能が、そうした限界を超えるための可能性を解いている。

内容説明

組織における意思決定は人間の「限られた合理性」をいかにして超えられるか。『経営行動』は、意思決定過程の観点から組織を理解することに挑戦している。組織を維持し、また、修正することに管理責任を持つ、組織の設計者および管理者にとって、組織を上手に経営するための諸条件が示されている。ノーベル経済学賞に輝く経営組織研究の金字塔。

目次

第1章 意思決定と経営組織
第2章 経営理論の若干の問題点
第3章 意思決定における事実と価値
第4章 経営行動における合理性
第5章 経営決定の心理学
第6章 組織の均衡
第7章 権限の役割
第8章 コミュニケーション
第9章 能率の基準
第10章 忠誠心と組織への一体化
第11章 組織の解剖学
付録 経営の科学とはなにか

著者等紹介

サイモン,ハーバート・A.[サイモン,ハーバートA.][Simon,Herbert A.]
1916年生まれ。2001年没。最後はカーネギー・メロン大学リチャード・キング・メロン記念教授。シカゴ大学でB.A.およびPh.D.を取得し、哲学、心理学、社会学、行政学、経済学、経営学、コンピュータ科学、認知科学などさまざまな分野で輝かしい業績を残した国際的社会科学者であり、世界最高の権威。日本では、特に経営学者、組織理論研究者として広く知られる。1978年に組織における意思決定過程の研究でノーベル経済学賞を受賞

二村敏子[フタムラトシコ]
東京大学大学院社会科学研究科修士課程修了。東京大学大学院経済学研究科博士課程教育課程修了。現在、帝京平成大学現代ライフ学部教授、東京都立大学名誉教授。組織学会理事および産業・組織心理学会常任理事を経て、人材育成学会理事、しごと能力研究学会常任理事、産業・組織心理学会名誉会員

桑田耕太郎[クワダコウタロウ]
横浜国立大学経営学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東京都立大学経済学部教授を経て、首都大学東京大学院社会科学研究科経営学専攻教授

高尾義明[タカオヨシアキ]
京都大学教育学部教育社会学科卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。流通科学大学情報学部助教授等を経て、首都大学東京社会科学研究科経営学専攻教授

西脇暢子[ニシワキノブコ]
京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士。京都産業大学を経て、日本大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

6
完全な合理性から最適解を求める経済人でなく、限定的な合理性から満足解を求める経営人(管理者)という考えには、人工知能研究に携わる著者の合理性から見たAIと人間の能力の区別が反映されている。著者は、人間が環境全体の情報を部分的にしか捉えられないとする「限定合理性」を生命体になぞらえ、組織と経営人の関係を「3種類の報酬」によって作動するシステムと見なす。行動経済学的なこの設定は、1947年初版当時のサイバネティクスから1997年第4版出版時の自己組織化へ変容するシステム論自身とともにアップデートされ続ける。2021/12/09

ゲオルギオ・ハーン

6
1947年の初版から改訂を重ねて第四版として97年に出版されたもの。もとの文章が遠回しな書き方なこともあって翻訳の方が工夫していても読みにくいところが所々ある。しかし、組織の意志決定に関わる要因を丁寧に分けて分析している点や個人と組織で目標とするところが異なっている点を筋立ててまとめているところは日々組織の中で働いていて当たり前のことだと読みつつも理論にまとめたところにサイモン先生の分析力の高さを感じた。しばらくしてから再読するとまた新しい発見があるかもしれない。2020/06/07

ハパナ

6
組織を意思決定過程の観点から理解しようという本。 1947年初版の11章を本論としており、1997年の第四版において時代や理論の変化に対応すべく各章に”コメンタリー”と呼ばれる追論を筆者本人が付けた形式です。ヒエラルキーをハイアラーキーと表記してあったり言い回しが少々回りくどい所などがあり、文章に慣れるまで苦労した。至極最もな内容なので跳びぬけた論は出てこないが、基本を身につけるという意味で有用な本だと思う。各章だけでビジネス書が1冊書けそうな充実度であり、下手なビジネス書よりもこの本の精読を薦めたい。2016/07/25

はにまる

1
経営というと会社経営をイメージしてしまうが、本書で扱うのは軍隊や行政なども含めた組織一般における経営行動。組織における意思決定や、組織の目標と個人の目標がどう関わってくるかなど、本書の論述は経営学から心理学など広範囲にわたる。組織の意思決定において、人々の「合理性の限界」とどう向き合っていくかという考え方はしっくりくる。本書は自分にとってはかなり難解で、読むのに半年以上かかったのになんとか目を通したというレベルで、読み飛ばした部分も多い。いつかまたチャレンジできるだろうか2023/09/23

1
組織論として読んだ。細々とした縦割りよりも、いかに権限の重心を置くか、そして組織内でのコミュニケーションをいかに構築するか、ということが触れられていて、なるほど日本の細々とした組織論とは違うなとは思うが、なかなか実際に適用するには簡単にいかないと思う。挙げられている例は十分首肯できるものだが、理論化されると理解が追いつかず、まだまだ消化不良。2018/09/21

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