知の蔵書21
明治生まれの日本語

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784473019097
  • NDC分類 810.2
  • Cコード C0081

出版社内容情報

今日当たり前に口にしている言葉のうち、明治時代に生まれたことが明らかなものの造語過程を、“辞典の泰斗”飛田氏が膨大な文例をひいて跡づけていく。

内容説明

本書は、現代の日常語のなかから、明治時代に生まれたことばの造語過程を、膨大な文献の用例から立証していく。従来、伝承的に語られてきたこの分野に“辞典の泰斗”がするどく切り込んだ一冊。

目次

第1章 文明開化が生んだ日本語(東京;電報;年賀状 ほか)
第2章 新しい家族をつくった日本語(彼女;印象;恋愛 ほか)
第3章 庶民の造語、知識人の造語(ちゃう;ぽち;より… ほか)

著者等紹介

飛田良文[ヒダヨシフミ]
1933年生まれ。東北大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、国際基督教大学大学院比較文化研究科教授、国立国語研究所名誉所員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

42
ひとつの言葉の歴史を考証するとなると十年はかかる、という意味で『一語十年』という言葉があるらしい。西洋文化がどっと入ってきた明治時代に新造語が生まれたのは想像に難くないけれど、本当に明治生まれなのか、その検証過程まで明らかにした21語。たとえば「常識」は英語ではコモンセンスだが、明治6年の英和辞典にはその言葉はなく、初めて出てくるのは明治14年の辞書、というような労作です。このほか「時間」「彼女」「恋愛」「新婚旅行」「家庭」「個人」などが明治生まれ。トリビア的な本かと思っていたら、結構重たい本でした。2023/02/28

Masakiya

4
藩校に通い儒学を通して漢語を学んだ識字層である士族と、寺子屋で学んだ庶民階級が尋常小学校の教科書で同じ言葉を習うことによって、書き言葉としての日本語が形成されていったということが興味深かった。P173「この『より』が普及する以前に、比較級に相当するする日本語はなかったのかというと、定級の『高い』と最上級の『最も高い』の二段階だけであった。」他人と比較する性向は英語と共に輸入されたらしい。言葉は文化そのままなのだと思った。2011/12/10

ちょりん

2
新聞コラムで紹介されていたので図書館で借りてみた。 お堅い文章でなかなか読み進められず。なんとか理解できるようになると結構面白かった。昔は敬意のなかった「彼」「彼女」とか、「鉄道館」「ステーション」と言ってたのに、宿場の「駅」が転用されたとか。副詞の「より」は元は助詞の「より」で、日本に比較級の用法がなかったとか。英語に詳しい明治の知識人の影響で副詞「より」が誕生したとか。 著者は三省堂国語辞典の編者。一語一語、文献の用例をたくさん上げて立証している。こういう研究の大変さがよくわかった。 2022/03/20

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