内容説明
和歌のリズムを決めるのは何か。なぜ、西洋詩においては隠喩が重んじられたのに、和歌においては掛けことばが発達したのか。なぜ、日本の詩歌は個性を禁じる方向へ進んだのか。作者の無意識が作品の構造に反映されることはあり得るか。
目次
第1章 和歌の詩的カノン(古歌との対話;和歌の詩形 ほか)
第2章 和歌の表現(調べのありか;枕ことばの構造と機能 ほか)
第3章 和歌の発想(比喩と形象;隠喩 ほか)
第4章 和歌の言語世界(詞姿と詩想;本意・本情 ほか)
第5章 主題構成の原理(正述心緒・寄物陳思;こころの表象 ほか)
著者等紹介
山中桂一[ヤマナカケイイチ]
1940年、高知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(英語英文学)修了。東海大学教養学部助教授、東京大学総合文化研究科・教養学部教授をへて、現在、東洋大学文学部教授
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感想・レビュー
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山がち
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前半は和歌の詩律についてであり、後半は比喩などの表現技法などについてとなっている。前者に関しては、各句二音一拍四拍子となっているということについて考察を深めていき、、五七調から七五調への変化なども追っている。後者に関しては、比喩などの表現技法はどのような言語的機能を果たしているかということであろうか。より全体像がつかみにくく思われる。どちらも歴史的推移などを踏まえており、その点にも興味深いものがある。全体的に難解なところを含んではいるものの、思いがけないような発見などがあり、非常に楽しく読むことができた。2013/04/29