出版社内容情報
発想のユニークさと明晰な論理で、言語学の世界に新しい知見を切り開いて来た座談の名手が、その発想工房の楽屋裏を初めてみせた一冊。
内容説明
発想のユニークさと論理の明晰さで、言語学のみならず、日本語・日本文化論に数々の新知見をきりひらいてきた鈴木教授は、問題関心の出発点をつねに自身の知的・日常的生活に置いている。知る人ぞ知る座談の名手が、その発想工房の楽屋裏をはじめてみせてくれた1冊。
目次
私の言語学(私の“発見”;私の言語学)
日本文化の型について(文明の統合原理;国立国語研究所;普遍性を考え直す;法と規範意識)
私の流儀(日本人らしくなく;私の中の戦前と戦後)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
42
アメリカの文明は地縁血縁を引きずらず、基本的に頼れるものは自分だけという肉体礼賛、動産礼讃文明で、謂わばヤドカリ文化である。日本の場合は、兄貴は社長でしてねなどとどういう人間関係の中に自分が位置しているかを強調する、資産共有型のサンゴ礁文化である。欧米のアルファベットは音で区別できるものしか表さないラジオ型言語で、まれに同音のものがあっても分布が異なるために混同されない。ところが日本語の場合は、漢字を目で見なければ判別できないテレビ型の言語であり、しかもわざと字を変えて同音語を作りたがる性質を持つ。↓2017/09/30
文章で飯を食う
5
昭和62年の本だが、全然、古さを感じない。いろいろな業績や新発見の裏には、やはり、強固な個性があるんだな~。2015/10/01
Saiid al-Halawi
3
著名な言語学者の「私はこんなこと考えました」集。ソシュールから一歩踏み込んだ言語の持つ二重の恣意性とか、言語学ないし文化人類学的な話を口述筆記でまとめた一冊。面白いけど、完全に持論。2013/01/06
niko
0
タイトルが「言語学」となっていますが、言語学というより日本文化論です。ヨーロッパと日本がどのように違うか、学問にしても日常のものにしてもヨーロッパのものをすべて良しとせずに一歩引いて考えを述べている著者の姿勢は、「欧米崇拝」しがちな態度がいかに危険かということを私達が理解するためのきっかけになるかと思います。2008/01/26
nobu
0
★★2011/07/11