内容説明
なぜハムレットは復讐を逡巡するのか。書かれた時代の文脈に即して作品を読み解くことから、これまでの常識を覆すハムレット像が描き出される。第一人者と気鋭の研究者のコンビが、最新の研究成果を駆使して謎解きに挑んだ待望の注釈と解説。
著者等紹介
高橋康也[タカハシヤスナリ]
1932年生まれ。東京大学文学部卒、同大学院修了。現在、昭和女子大学大学院教授、東京大学名誉教授、国際シェイクスピア学会副会長
河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
1960年生まれ。東京大学文学部卒。同大学院及びケンブリッジ大学博士課程修了。両校より博士号取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授(表象文化論)、放送大学客員助教授(ラジオ「英語V」担当)
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感想・レビュー
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てれまこし
12
『ヴェニスの商人』のアントニオは理由もなく鬱に悩まされてる。『お気に召すまま』にはジェイクイズという欝な貴族が出てくる。ハムレットに至ると傍観者ではなくて主人公が鬱であり、その悩みの種を観客は共有させられる。ヒルの清教徒革命の本などを読むと、メランコリーがこの時代の特徴ではなかったかと思わされる。どうすれば救われるのか、そもそも救いなどというものがあるのか。宗派を問わず、そのような問いが多くの人をメランコリックにしたのではないか。to be or not to be とは「迷って生きるか、信じて死ぬか」。2023/07/17
Yuuji Hayashida
0
おもしろい。2018/12/16