トップ・マネジメント教育叢書
名門アーサーアンダーセン消滅の軌跡―公正な監査とリスク管理のプロ集団に何が起こったか元社員らが書いた内幕ストーリー

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  • サイズ A5判/ページ数 215,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784431710714
  • NDC分類 336.97
  • Cコード C0034

内容説明

CEOやCFOが会計を操作し、会計を歪め、投資家を欺いたエンロンの倒産は、一時期時価総額1100億ドル(13兆円)を越した株がゼロになり、株主に膨大な損失を与えた。本書は、エンロンの実体を知りながら、外部監査人として強い対応のできなかったアーサーアンダーセンの悲劇の内幕である。名門アンダーセンは会社ぐるみで起訴され、たった1通の社内e‐mailのため有罪となり、170日の裁判後会社は消滅し、85000人の会計士は職を失った。これは、企業経営者は全社的リスク管理システムを構築し、徹底してそれを実行し、甘い例外を認めないこと、また、企業の最終局面では、トップの対応の仕方如何が企業を救うか、破滅させるかの分かれ道になるという、コーポレート・ガバナンスの教科書的実例の物語である。大なり小なりどこでも起こりうる話だ。

目次

第1章 終わりの始まり
第2章 始まりはまともな会社
第3章 あらしの前の成長
第4章 コントロールを失う
第5章 コンサルティング革命
第6章 売込み至上主義
第7章 判断ミス
第8章 もつれを解く
第9章 何かが本当に変わるのか
第10章 結論―アンダーセンと会計監査業の矛盾

著者等紹介

スクワイヤ,スーザン・E.[スクワイヤ,スーザンE.][Squires,Susan E.]
博士。1993年から1997年までアンダーセンの全世界プロフェッショナル・スタッフ養成センターに在職し、アンダーセンとアンダーセン・コンサルティングの両方について、内外のアンダーセン・チームの評価と文化面でのコンサルタントの役割を演じた

スミス,シンシア・J.[スミス,シンシアJ.][Smith,Cynthia J.]
博士。人類学者であり、1982年アーサーアンダーセンに入社して以来、イリノイ州のセント・チャールズにあるアンダーセンの職業教育養成センターで当社の人類学の仕事を最初にまとめた人である。ウィリアム・イークとシンシア・スミスは揃って、アンダーセンの企業文化面の調査プロジェクトで一緒に仕事をしたことがあり、リスクの高い国際プロジェクトについて、リスク管理の改善策を検討した

マクドゥーガル,ロルナ[マクドゥーガル,ロルナ][McDougall,Lorna]
博士。アンダーセン・ワールドワイドの文化面のコンサルタントで、アメリカと英国における監査、税務及びコンサルティング部門の長期的視野での人材と組織学習の調査と強化に当たっていた

イーク,ウィリアム・R.[イーク,ウィリアムR.][Yeack,William R.]
多国籍のハイ・リスクの大企業を担当。ウィリアム・イークとシンシア・スミスは揃って、アンダーセンの企業文化面の調査プロジェクトで一緒に仕事をしたことがあり、リスクの高い国際プロジェクトについて、リスク管理の改善策を検討した

森田松太郎[モリタマツタロウ]
公認会計士。1951年北海道大学農学部農業経済科卒業。小樽商科大学経理経理経営専攻科修了。1959年公認会計士開業。朝日監査法人理事長兼アーサーアンダーセン日本代表を経て現ARI研究所長。日本ナレッジ・マネジメント学会理事長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k_bat_j

3
アンダーセン消滅は会計業界のワールドトレードセンター崩壊くらいインパクトがあった。これがきっかけでどこの事務所も監査とコンサルティングを完全に切り離したんだよね。2009/02/27

三色団子

1
監査法人とコンサルタントの両立はできそうで相容れない。時代の流れには逆らえない。2022/08/08

pepe

0
7月2日読了。 ビジネスの上での様々な矛盾を考えさせられた。ストーリー仕立てで読みやすい。 公正vsクライアントの利益 カリスマ創始者の想いvs巨大グローバル企業 会計に携わる者として、読んで良かった。 think straight, talk straight. アーサーアンダーセンの想いは、アクセンチュアに継がれていたな。2016/07/04

rohi

0
21世紀開始と共に消滅した世界最大の会計事務所アーサー・アンダーセン。1913年のアーサー・E・アンダーセン(28歳)によるシカゴでの事務所設立から90年後の消滅までの軌跡。アンダーセンの名前は知らないが、コンサルファーム「アクセンチュア」は知っているという方も多いだろう。本書ではアンダーセンのコンサル部門(後のアクセンチュア)と、本家として事務所を支配していた会計部門が文化的違いから争い分裂していく様子も描く。巨大会計事務所が抱える「公共と利益」というジレンマに著者は挑む。 ★★★★☆(買う価値あり)2021/02/14

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