校正のこころ―積極的受け身のすすめ

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422932170
  • NDC分類 749.43
  • Cコード C0000

出版社内容情報

DTPやデジタル媒体の急速な普及で、グーテンベルク以来の第二の出版革命期を迎えた現代に、言葉を吟味し、正し、整えるという校正の仕事はどうあるべきか。誰もが不特定多数に情報発信できる時代にこそ求められる校正の方法論を、古今東西の出版校正史をひもとき、職場で得た経験則と共に解き明かす。日々言葉と向き合う出版人へ、そして言葉と本を愛する人へ贈る、従来の校正実務・技術論を超えたこれまでにない包括的な校正論。

著者紹介
大西寿男(オオニシトシオ)
1962年、兵庫県神戸市生まれ。岡山大学で考古学を学ぶ。1988年より、東京で校正者として働くかたわら、編集と本づくりを手がける。1998年、個人出版事務所「ぼっと舎」を開設。

内容説明

デジタル化というグーテンベルク以来の出版革命期を迎えた現代に、言葉を正し、整えるという校正の仕事はどうあるべきか。誰もが不特定多数に情報発信できる時代にこそ求められる校正の方法論を、古今東西の出版史をひもとき、現場で得た経験則とともに解き明かす。

目次

引き合わせ―校正の仕事(1)
素読み―校正の仕事(2)
言葉を「正す」という校正
言葉を「整える」という校正
受け身であること―校正の原則(1)
言語世界の相対性―校正の原則(2)
言葉のあるべき姿―校正の役割(1)
信じることと疑うこと―校正の役割(2)
組織としての校正
編集の時代
言葉の客観化
校正のこころ

著者等紹介

大西寿男[オオニシトシオ]
1962年、兵庫県神戸市生まれ。岡山大学で考古学を学ぶ。1988年より、東京で校正者として働くかたわら、自由な編集と本づくりに取り組む。校正の仕事では、岩波書店、集英社、河出書房新社、作品社、藤原書店などの外部校正者として、文芸書、人文書を中心に、実用書や新書から専門書まで、二〇年にわたり幅広く手がけてきた。1998年、個人出版事務所「ぼっと舎」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nao1

20
著者からの生まれたての言葉を育て、読者に届けるために、校正者は何に関わり、何に関わらないのか。届いた言葉の裏には、無数の届かなかった言葉がある。また、ネットなどで散見する届くべきでなかった言葉が暴力となって人を傷つけることもある。古くは権力者のものだった活字が、知識人からの啓蒙となり、いまや小学生でも扱える時代だからこそ、言葉を発信する以上は校正の概念を知っておいたほうが結局コンテンツ全体を長持ちさせるんではないかな。まれに千年以上生きる言葉もある。言葉がどうなりたいのか、耳をすませることをやっていこう。2016/01/03

seimiya

10
校正をするにあたっての心構えや、校正者の立ち位置など。通信教育で校正の勉強を始めたものの、実際の仕事のイメージを掴めずにいたので読んでみた。言葉を「正すこと」と「整えること」。絶対の正解がない場合も多いなかで、他人の文章に赤字を入れるというのは、とても勇気がいる行為なのかもしれない。自分の知識と感性に自信がないとできない。校正を仕事にしていけるかはまだ分からないけれど、言葉と真摯に向き合う姿勢は持ち続けたいと思った。2014/01/08

けいろー

5
長年にわたって校正に携わってきた筆者による「校正論」と、校正者の視点から「言葉」の在り方を考える本。前半では「校正」の歴史・方法・考え方を説明しつつ、後半では幅広い意味での「言葉」について徹底的に掘り下げて考えていく。大切なのは、客観的に文章を読み、言葉を再検討する目線。また、言葉を産み出す「推敲」と、言葉を育てる「校正」の比較が印象的だった。校正者や編集者を志望する人のみならず、日頃から「言葉」を紡ぎ発信している人など幅広い層に勧められる1冊です。2018/02/23

minoguchi

5
具体的な知識やノウハウではなく、「校正」という作業を通して捉えた「出版(「紙」のみの限らないPublishing)」に対する考え方。言葉に対する本質的・基本的な視点から発せられるものだけに、出版を取り巻く環境が変わっていく中でも(というか、中だからこそより一層)通用する良書だと思う。2015/07/08

めーし

4
ことばの力。自分が傷ついたことを認める勇気。チームワーク。積極的受け身。校正の仕事が少し覗ければ、気分で読んだら宇宙が見えました。働きマンと併せて読みたい。ホントにいつかマンガが左綴じになる日が来るんだろうか...2010/12/21

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