戀愛譚 東郷青児文筆選集

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422930787
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0095

出版社内容情報

生誕120年記念。少女の生態や恋愛を題材に画家・東郷の“言葉”が凝縮した文筆作を精選。単行本未収録原稿含。寄稿:小西康陽昭和を駆け抜けた
画家・東郷青児の
知られざる“文筆”世界

《生誕120年記念》

*

《夢か現(うつつ)か――》

少女の生態や恋愛をテーマに、
東郷青児の“ことば”がもっとも魅力的に綴られた
詩的で夢幻的な文筆作品を精選。

かつて発禁処分となった幻の著書から
厳選した珠玉のエッセイや小咄コント、
新たに発掘された単行本未収録原稿を含む
決定版、全38篇。
[解説:野崎泉]

*********

寄稿:小西康陽(音楽家)
「恋愛を人生の総てと考える人々」

*********


(収録作品より)

「東京の女」 東郷青児


暖炉の燃える暖い部屋で、
ゆつたりした部屋着を着て、
香りの高い珈琲を飲みながら
雪の音を聞いてゐるなんて、悪くない感じだ。

もつと考へなければならないことが
山ほどあるに違ひないけれど、
美しい女のひとを美しい枠の中に置いて、
美しくすることが男の義務でもある。

肩のぬけた浴衣を着て、
かたいふとんの中で震へてゐるやうな女が
この日本に居る限り、男よ、
偉さうな口を利かないで呉れ。

これからの建設は何よりも何よりも
女を美しくすると云ふ、
最終の目的に向つて進んでゆくことだ。

石炭も、米も、繊維製品も電車も汽車も、
住宅も道路も彼女たちを輝しく明るく
美しいままに美しくするための過程に過ぎない。

ああ、そんな日が早く来て呉れ。

【寄稿】小西康陽「恋愛を人生の総てと考える人々」


常若の乙女
【I】
四つ葉のクロバ
窓から飛下りた薔薇
あつけないラブ
星のハウス
よるとひる
安南娘アンドレ
窓のない女
チョコレート
昼と夜
桃色クラブ
へれんの家
女と花
ぺてるとさぼてん
兄と妹とサボテン
カルバドスの唇 ――恋愛的漫歩――
義手義足空気人形
三日月に腰かけた恋愛陶酔 Mellow and merry
東京の女

【?】
夢二の家
外国貧乏
ニースの金髪
伝書鳩を運動させる紳士
金魚

マネキンに惚れる
しろとのもでる
春とモデル
食慾は恋愛の絶縁体である
春と花
少女三題
マリイ・ローランサン
ニースの太陽
京都
あの頃、この頃
風変りの恋愛

あの娘


【解説】野崎泉「跣足の天使が舞う、コバルトブルーの空の下で」
【底本一覧】
【編者注解】

東郷 青児[トウゴウ セイジ ]
著・文・その他

野崎 泉[ノザキ イズミ]
編集

内容説明

画家・東郷青児の知られざる“文筆”世界。少女の生態や恋愛をテーマに、東郷の“ことば”がもっとも魅力的に綴られた詩的で夢幻的な文筆作品を精選。単行本未収録原稿を含む決定版、全38篇。

目次

常若の乙女
1(四つ葉のクロバ;窓から飛下りた薔薇;あつけないラブ;星のハウス;よるとひる ほか)
2(夢二の家;外国貧乏;ニースの金髪;伝書鳩を運動させる紳士;金魚 ほか)

著者等紹介

東郷青児[トウゴウセイジ]
1897(明治30)年、鹿児島に生まれ、東京で育つ。少年時代に大正浪漫の画家・竹久夢二の下絵描きをした経験を経て、ドイツから帰国したばかりの作曲家・山田耕筰から西欧の新しい美術運動を学ぶ。19歳で第3回二科展に初出品した“パラソルさせる女”で初入選し、同時に二科賞受賞。24歳でフランスに留学し、イタリアの未来派運動に参加したほか、ピカソや藤田嗣治ら時代の先端を行く画家たちと交流。帰国後は「大衆に愛されるわかりやすい芸術」を生涯の目標に掲げ、抒情的な美人画で多くのファンを魅了した。1978(昭和53)年、旅先の熊本にて急性心不全のため死去。享年80歳

野崎泉[ノザキイズミ]
歴史やストーリーのあるものを探求する編集者・ライター。『天然生活』(地球丸)や『婦人画報』(ハースト婦人画報社)などで、女性の暮らしにまつわる取材執筆も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

冬見

9
画家・東郷青児による文筆選集。◆とても好き。幻の、夢の中の女。純粋で蠱惑的なファムファタル。女に振り回されて破滅させられたい欲望でもあるのだろうか。甘ったるい退廃と詩的で夢幻的な文章世界に胸をおかされて、くらくらと酔うような、幻覚にうっとりとまどろむような心地になる。「安南娘アンドレ」「窓のない女」「昼と夜」「女と花」「兄と妹とサボテン」「カルバドスの唇」が特に好き。ずっと迷っていたけど買ってよかった。フィクションには及ばないが、藤田嗣治や竹久夢二らとの交流や自らの芸術生活を記したエッセイ集もおもしろい。2020/02/09

MIHO

7
ロマンチックで素敵な本でした。図書館で借りたのですが、私が第一号の借り手だったみたい。2018/07/31

マカロニ マカロン

6
個人の感想です:B。読書会『色ざんげ』(宇野千代)の関連本。1936年出版の東郷青児全集第一巻『手袋』(発禁処分)、第三巻『カルバドスの唇』、1956年の『いろざんげ』からの短編や詩、雑誌掲載のエッセイなどを集めた文集。東郷氏の線描画も随所に挟まれ、昭和初期パリ帰りのモダンボーイ(モボ)の生活や恋愛、ファッションなどの当時の先端のオシャレな文章が楽しめる。女性や少女とのハッとする出会いや恋など、芸術の肥やしにしたのだろうが、現在の倫理観から見るとモラルを逸脱したような出来事も書かれている。2020/11/12

miaou_u

6
素面では読めないなぁ。。お酒とともに、ページをめくることをお勧めしたい。私自身が、宇野千代はどうしてもすきになれない理由がわかった気がするし、東郷の思い描く女性像は、どう足掻いても、絵だけはなく、文筆からも明らかで。盈子であり、東郷が夢見た、夢現な猫のように掴みどころのないほっそりとした女性たちは、夢二が描いた女性像を彷彿とさせ、川端文学にも通ずるように感じる。空気、というより、『水』や『湿度』を感じる《カルバドスの唇》《金魚》《雨》が、特にすき。2018/03/21

晴久

5
前半のⅠはフィクションの要素が強いもの、ということだったが、東郷青児が実際に体験したようにも思える、したたかで魅惑的な女性たちが出てくる。女好きだったんだろうな、と思いつつも女性に振り回され惹きつけられている著者がなんとも憎めない。当時の言い回しや言葉の選び方にもぞくぞくし、たびたび音読しながら読了までじっくりと時間をかけた。一遍が短く、読みやすい本だった。2020/07/03

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