出版社内容情報
出版の中でも翻訳出版の世界はとりわけ奥が深く、また多様で複雑である。編集者として、児童文学作家として、翻訳者として、そして翻訳権エージェントの第一人者として……。戦争の余塵がまだくすぶる占領下から現在に至るまで、本の世界を縦横無尽に闊歩してきた著者が、翻訳出版史上の事件を自己の体験と綿密な調査からとらえ直すとともに、著者の周辺で活躍した個性豊かな出版人、翻訳者の素顔までを存分に描き出す貴重なエッセイ。
登場する人物約370名、取り上げられた書籍約220冊、雑誌名20余、出版社名100余。
読者の助けとなるよう巻末には、本書で語られる主たる翻訳出版に関わる事件(国内、国外)と関連書籍、法律の関係を示した年表を掲載。
また、本書に登場する人物の名を読み仮名つき人名索引として一覧にしたほか、出版社名、書籍名、雑誌名、シリーズ名、条約名、法律名、団体・機関名、その他を含んだ事項索引も付した。
内容説明
激動の昭和という時代を一人の出版人として生きぬき、日本の翻訳出版の礎を築いた著者。その目に映った戦前・戦中・戦後の翻訳出版にまつわる数々の事件の真相とは、いったい何だったのか?名前のあがる人物370余名、書籍・雑誌約250冊、出版社100余。国内・国外の翻訳出版にまつわる法律や事件に関する年表と、読み付き人名索引、事項索引を巻末に。
目次
第1章 プラーゲ旋風と小山久二郎の失敗(無断翻訳伝説;ドイツ語教師プラーゲと『ひとつの時代』 ほか)
第2章 占領下の超法規の時代(『チボー家の人々』と白水社の無念;『凱旋門』と『僧正殺人事件』 ほか)
第3章 平和条約のペナルティと混乱(戻ってきた『風と共に散りぬ』;『陽のあたる場所』と『ジェニーの肖像』 ほか)
第4章 十年留保と著作権法改正(『ロリータ』とアメリカの旧著作権法;『内なる私』の私の経験 ほか)
著者等紹介
宮田昇[ミヤタノボル]
1928年東京に生まれる。元、早川書房編集者。同社を退職後、チャールズ・E・タトル商会で勤務する傍ら、数多くの児童書の執筆・翻訳を手がける。1967年に矢野浩三郎と共に矢野著作権事務所(のちの日本ユニ・エージェンシー)を創業、1991年には日本ユニ著作権センターを設立し、代表取締役を務めた。戦前戦後のわが国の翻訳権、出版権の変遷の歴史を熟知する数少ない一人であり、翻訳著作権に関する著作も多く、斯界の第一人者として知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タカラ~ム
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Shun'ichiro AKIKUSA
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