隅田川の向う側―私の昭和史

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422930466
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

青春の傍らにはいつも隅田川が流れていた―─。歴史探偵を自認する著者が過ごした昭和史の原体験とはいかなるものだったのか。下町向島で育った幼少期、疎開先越後長岡の厳しくもあたたかい風土、東大漕艇部員として過ごした隅田川上の暮らし...。昭和57年から60年にかけて私家版として作られた小冊子を一冊にまとめた随筆集。ユーモラスな語り口と含蓄に富んだ文章で、著者と昭和という時代の青春を爽やかに描く。著者の随筆家としての本領を発揮した好著。

内容説明

歴史探偵を自認する著者が、自ら体験した「昭和史」とは如何なるものであったのか。著者自身と「昭和」という時代の青春期を、軽快に、懐かしく、みずみずしく描く。

目次

第1章 隅田川の向う側―昭和五十七年(1982)(背番号;桜もち ほか)
第2章 わが雪国の春―昭和五十八年(1983)(恋人たち;駈け足 ほか)
第3章 隅田川の上で―昭和五十九年(1984)(いの一番;ロンドン大会 ほか)
第4章 観音堂の鬼瓦―昭和六十年(1985)(Alley;Badger ほか)

著者等紹介

半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年東京向島生まれ。東京大学文学部卒業後、文藝春秋に入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などを経て作家。『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、『ノモンハンの夏』で山本七平賞、『昭和史1926‐1945』『昭和史 戦後篇1945‐1989』で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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奥澤啓

36
私はうん十年前に生まれていたら半藤さんと同級生だったかもしれない。半藤さんが生まれてから東京大空襲後に新潟に疎開するまで育った土地で、私も生まれて育ったからだ。この本に書かれている情景は、大した変化もなく残っている。数年前、地元の図書館が半藤さんの講演会を行った。二時間たっぷり。戦時中から疎開までの話であった。矍鑠として風格のある方であった。立派な風貌の人を久しぶりに眼にした思いがした。半藤さんは絶対的平和主義者である。安倍政権を、今の政治の潮流を、戦争を知らない世代の空騒ぎだと思っているにちがいない。2014/12/27

へくとぱすかる

27
約30年前に書かれた「豆本年賀状」。とてもユーモラスで笑いたくなるような文章の連続。しかし一番読みごたえのあるのは、ボート部だった学生時代の部分。バンカラで汗くさいものであっても、やはり青春とは輝いているものですね。漕艇の写真がリアル。新潟で過ごした中学時代、半世紀前の東京など、現代風俗の記録としてもたいへんな資料価値があるでしょう。存命中の永井荷風と、なんとか会話らしい会話をしようとしたくだりなど、本人を見た人ならではの描写に拍手したくなる。そういう雰囲気は、残された小説からでは、わからないですからね。2014/11/13

二人娘の父

4
「川向う」は以前は差別用語だったようだ(今も?)。確かに見下すようなニュアンスはあるのだろうが、そもそも向こう側で暮らしてきた人たちにとって、隅田川がどんなものなのかを知る、貴重な記録だろう。向島に菩提寺を持ち小さい頃から通い詰めている私としては、あらゆる話が面白く、興味深い。長命寺のさくら餅は、久しく食べていない。今年のお彼岸には墓参りを兼ねて行ってみようと思う。2021/02/28

Ryuji

4
★★★☆☆半藤さんが出されたいた「豆本年賀状」の一部を書籍化したもの。半藤さんと同年代で、戦前から終戦後昭和30年頃まで東京下町で育った人にはたまらなく面白い本だと思う。残念ながら私自身は世代が違うので、読んでいても今一つイメージがつかなかった。おすすめは半藤さんのボート部の時代の話。これぞ昭和の体育会系という感じ。2017/04/06

イエテイ

3
昭和や戦中の話も読んでみようと図書館にて半藤一利氏の本に手を伸ばす。まずは入門くらいの気持ちで。戦時中の話は空襲とか生々しくて、でも桜餅とか日なたぼっことかはいい話。後半は著者の隅田川や浅草への思いが伝わってくるなあ。2018/04/30

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