内容説明
「受け」というと受け一方のように思うが、じつは攻防の一手になっていることが多い。受けることが、すなわち攻めの第一歩だ。受けの一手によって、攻守が入れ替わる手筋満載。
目次
第1章 序・中盤編(受けの基本は恐れないこと;玉を囲う;角頭を守る ほか)
第2章 終盤編(一手前に受ける;安全に勝つ;安全な場所は? ほか)
第3章 実戦編(安全に勝つ;犠打で手をかせぐ;勝ち将棋を勝つ ほか)
著者等紹介
中村修[ナカムラオサム]
昭和37年東京都町田市の生まれ。51年第1回中学生名人戦優勝。6級で佐伯昌優八段の門に入る。55年四段。57年五段。58年六段。59年第45期「棋聖戦」で挑戦。60年第35期「王将戦」で初タイトル獲得。61年第36期「王将戦」防衛。七段。平成5年八段。7年第7回「IBM杯戦」優勝。18年通算600勝達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tieckP(ティークP)
3
体系的というわけではないが、将棋を指していると誰もが体験する平凡な局面でどのように受けるかが的確に説明されていて、確かにこういう局面でうまくしのげたら強くなれるだろうと思えた。序・中盤については形勢を損ねないように、終盤については1手勝ちできるように重要なテクニックが紹介されている(もっとも、終盤はこれできちんと勝ちきるためには詰将棋の能力も必要だが)。最後の実践編については、中村氏自身が「この局面での正着はいまだに分からない」と述べるように柔軟な説明が多く、この柔らかさが不思議流の強みだろうと思えた。2018/11/07
鞘
1
序盤での囲いといった初歩的な守りの概念から始まり、最終章では実践譜での妙技の数々に終わり、盤に並べずとも一通り読むだけでかなり受け方の勉強になった。結局しっかり指せるかどうかは読みの正確さによる(と言葉の節々から感じる)が、そのための良いオリエンテーションになっている。2017/08/23
あなあき
1
「受ける青春」「不思議流」中村修九段の受けの手筋&局面解説集。奥付けの著者紹介によると、座右の銘は「臥薪嘗胆」らしいwww「角・桂頭を守る」「棒銀の受け方」「金は4段目に上がらない」「馬は自陣に」「3枚の寄せはこわくない」など、様々な場面における基本的な手筋を、実戦的な例題を使って紹介。項目当たり4面ずつ局面図があるので、手順が追いやすくわかりやすい。というわけで、1章2章は「さほど不思議じゃない」応用範囲の広い内容なんだけど、3章の「実戦編」が、やっぱりスゴい。思わず「な、なぬ〜」と呻き声が出てしまう。2013/10/10