一本堂行余医言〈巻之5〉癇とその周辺

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一本堂行余医言〈巻之5〉癇とその周辺

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  • サイズ A5判/ページ数 144p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784422410968
  • NDC分類 493.72
  • Cコード C3047

出版社内容情報

本書は、江戸時代の漢方医学者である香川修庵の残した全二十三巻の医学全書『一本堂行余医言(いっぽんどうこうよいげん)』のうちの一冊、「巻之五」を現代語に全訳し、注釈を付したものである。
 
 香川修庵は、一六八三年に播磨国姫路に生まれ、伊藤仁斎のもとで古学を修めた。『傷寒論』を尊び儒教の教えを崇拝し、儒医一本論(身を修める聖道と医術は一本であるという考え)を唱えて、みずから「一本堂」を称した。
 五世紀から六世紀にかけて中国から日本に医学が伝わり、その後、室町時代までは中国伝来の医学に沿って行われていた治療は、しだいに日本独自の発展を遂げ、進化・確立されていった。今日、医療の現場で西洋医学と併用する形で漢方医学や漢方薬を用いている医師は、じつに8割にのぼると言われている。
 本書は、今日の精神病を広く含み込む「癇(かん)」、神経症、知的障害などさまざまな精神障害の臨床像や治療経過を多くの症例に基づいて緻密に記録したもので、精神医学の歴史からみても、当時の最も優れた医療記録の一つであると言える。また、世界で初めての「神経性無食欲症」の記載があるなど、文献的価値もきわめて高いものである。
 
 経験と臨床を重んじる修庵の態度は、当時、古典籍や古学を重んじる他の門人からは大きな批判を受けた。しかし、彼の描く臨床描写は具体的でありじつに緻密で、患者のいきいきとした記述は、江戸時代の人びとの生活や精神障害者に対する感性までも彷彿とさせ、医療関係者や近世文化研究者のみならず、広く読者の関心を引くものとなっている。また、江戸時代に精神障害者がどのように扱われ、どのように治療されていたのか、本書はその一端を垣間見ることのできる非常に貴重な資料でもある。
 
 原文が漢文で書かれているため、これまでごく一部の研究者にしか知られていなかった修庵の思想を、今回、精神科医、国文学者、中国語の専門家の協力のもと、初めて現代語訳で読めるようになった。漢方、東洋医学に関心をもつ医療関係者のみならず、江戸の文化や庶民の暮らしぶりに関心をもつ一般の読者にも、ぜひお薦めしたい一冊である。

内容説明

江戸時代、日本の精神医学は世界最高の水準にあった。小児精神病、摂食症など世界初の臨床記載をはじめ、精神障害の病像、治療経過が二百年の時を経て蘇る幻の漢方医学書。完全現代語訳と詳細な注釈で東洋西洋を超え、心を病む人に寄り添うすべての医療関係者へ。

目次

第1章 癇
第2章 癲
第3章 狂
第4章 驚
第5章 子癇
第6章 癡〓
第7章 体軟
第8章 不食
第9章 不大便
第10章 不寐
第11章 悸
第12章 附・字弁

著者等紹介

香川修庵[カガワシュウアン]
1683~1755。江戸時代の著名な漢方医学者

濱田秀伯[ハマダヒデミチ]
東京出身。慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。79~83年パリ大学サン・タンヌ病院へフランス政府給費留学。慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、准教授、客員教授、群馬病院長を歴任。六番町メンタルクリニック精神療法センター長。日本精神医学史学会理事長。専門は精神病理学、フランスの妄想研究。キリスト教人間学

上宇都ゆりほ[カミウトユリホ]
大阪出身。お茶の水女子大学文教育学部国文学科卒業。同大学大学院人間文化研究科(博士課程)単位取得満期退学(人文科学修士)。聖学院大学非常勤講師。専門は比較文化、日本文学(特に中世和歌)、精神医学史

岩熊麻由美[イワクママユミ]
横浜出身。慶應義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。北里大学看護学部兼任講師を経て跡見学園女子大学兼任講師。専門はパーソナリティ心理学、心理アセスメント、精神医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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