国家の死滅―国家の起源と現状と未来

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  • サイズ B6判/ページ数 415p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422300474
  • NDC分類 311
  • Cコード C1030

出版社内容情報

「国家」について、社会科学から解明する試み。国家が死滅に向かう今、その機能をどのように保持し、発展させるかを説く。

国家の理論については、ヘーゲルの『法哲学』とマルクスの議論がある程度成功しているが、著者は全く違った概念枠を設定して社会科学から解明する。国家の死滅を正面から検討しようとすると、既存の社会科学の中では、国家論はまだ全く理論となっていない。本書は国家理論の提起であり、国家が死滅に向かう今このとき、国家の持つ重要な機能をどのように保持し、発展させねばならないかということへつなげていく。

目  次

はじめに

1部 国家の構造

1章 国家の誕生と主権
【第1節】近代国家の誕生と国家の論理
【第2節】市民社会の誕生
【第3節】主権
【第4節】現代世界と国家主権の変容

2章 戦争と国家
【第1節】戦争の種類と国家
【第2節】市民社会にとっての武力の意味
【第3節】近代の軍隊の創設
【第4節】産業と軍事技術
【第5節】死の商人と軍事産業
【第6節】国家を超える軍事力

3章 イデオロギーとしての国家
【第1節】自由主義イデオロギー
【第2節】社会主義
【第3節】福祉国家の理念
【第4節】市場原理の見直しと現代の様々なイデオロギー

4章 国家組織
【第1節】権力と憲法
【第2節】議会制と政党
【第3節】官僚と国家組織
【第4節】民主主義と地方分権

5章 国家財政
【第1節】だれが国家の構成員か――税金
【第2節】自由主義国家の財政支出
【第3節】資本と財政――公共事業と国家資本主義
【第4節】国家は国民のためにある――社会保障費
【第5節】財政の破綻構造

2部 付随的概念

6章 民族
【第1節】民族について
【第2節】「帝国」と民族
【第3節】近代植民地と民族
【第4節】社会主義体制の崩壊と民族
【第5節】民族紛争と利権

7章 国境・国民・領土の意味
【第1節】国境
【第2節】領土
【第3節】国民

3部 国家の変容

8章 帝国主義と国家の変容
【第1節】帝国主義の時代
【第2節】金融資本主義 
【第3節】社会主義の出現とファシズム
【第4節】国家の膨張

9章 グローバリゼーション
【第1節】世界市場の登場――世界市民社会の動き
【第2節】覇権の変化――ポスト冷戦の国家関係
【第3節】経済制度の変更・革新
【第4節】福祉・公共事業・市場主義とグローバリゼーション

10章 国家の死滅
【第1節】世界市民社会の形成と方向性
【第2節】主権の相対化
【第3節】イデオロギーを生かす道
【第4節】武器を廃絶する
【第5節】世界政府の基礎条件

目次

第1部 国家の構造(国家の誕生と主権;戦争と国家;イデオロギーとしての国家;国家組織;国家財政)
第2部 国家の付随的要素(民族;国境・国民・領土の意味)
第3部 国家原理の変容(帝国主義と国家の変容;グローバリゼーション;国家の死滅)

著者等紹介

服部正喜[ハットリマサキ]
1974年大阪外国語大学インドパキスタン語学科ヒンディ語専攻卒業。1977年神戸大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了、ヘーゲル、カントの哲学を研究する。1986年神戸大学大学院文化学研究科文化構造専攻博士課程単位取得修了、主に法律学の経済との関係を思想史・歴史において探求する。英語学校GEN Canada Collegeを設立し、その後、留学サポート会社Canada Global Education Centreをカナダ・バンクーバーにて設立、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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