日本のソフトパワー―本物の“復興”が世界を動かす

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422300450
  • NDC分類 319.1
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「ソフトパワー」=「国柄(くにがら)」をキーに、明治・大正・昭和の<失敗の本質>から今後の日本の方策を探る刺激的な論考。

長引く不況に大震災。暗いイメージが空を覆う我が国に必要なもの、それは高度経済成長や軍事力ではない。国の文化、政治的な理想、政策の魅力によって生じる力である「ソフトパワー」=「国柄(くにがら)」こそが不可欠なのだ。大震災からの復興が声高に叫ばれる今こそ、それらを束ねながら、世界が注目するソフトパワーを作らねばならない。明治・大正・昭和の<失敗の本質>から方策を探る、読みやすく、かつ刺激的な論考です。

はじめに

1 ふわふわしたソフトパワー

ソフトパワーのつかみ所のなさ/本当は恐いソフトパワー/ソフトパワーと説明責任/アメリカの魅力と信用/オバマ大統領の就任演説/ソフトパワーの資源と戦略/今の日本のソフトパワー

2 大震災のあとで

大震災のあとで/首相がすべきだったこと/政府の責務/人は相身互い/復興という国柄/前向きに創造的に取り組む姿勢/ソフトパワーを今考える/日本だからこそソフトパワーを

3 日露戦争とソフトパワー

日露戦争について/日露戦争とヨーロッパ/日露戦争と西アジア/船上の二人/二十年後/日露戦争の戦争指導/日露戦争の一人歩き/日露戦争のソフトパワー

4 昭和戦前期の挫折

日露戦争の後で/昭和の戦争/敗北のパターン/中国問題と日本/内向きの中国政策/現場の苦労/あまりにも現実的な/あまりにも内向きな/大東亜会議/昭和戦前期の挫折

5 昭和戦後期の不発

敗戦の後で/敗北の経験者たち/企業と国家/大平総理の政策研究会/外に向くために/政策研究会報告書/大平への疑問/経済と文化/人間の顔をした資本主義/下村の見切りと不発/昭和戦後期の不発

6 今の日本の立っている場所

再び今の日本へ/情報の文明学/情報とこころ/日本を考えてもらう/情報の窓口が必要/留学生や旅行者にも考えてもらう/悪い癖を繰り返さない

7 今の大学生に欠けているもの

読む力/パソコンで書く力?/文脈を読む力/情報化が奪っていくもの/メールは瞬間芸/ネットは見るもの/情報化とコミュニケーション/若者の現在=年長者の未来

8 今の世界を動かしているもの

こころの時代/不安定な時代/第一次世界大戦の犠牲/ヨーロッパ内戦/日本の「第一次」世界大戦は第二次世界大戦/戦時宣伝の強化/敵対関係の強化/二十世紀の戦争とテロとの戦い

9 日本に今可能なこと

日本のミスマッチ/客観的すぎると企画にならない/ぼんやりと寄せていく/目指すべき社会像/腰を据えて取り組む/経験を共通化する/経験を外部に伝える/新しい危険にも目配りを/日本から世界に

 おわりに

【著者紹介】
1966年、京都市生まれ。京都大学法学部卒業。現在、京都産業大学法学部教授・合同会社植村文庫業務執行社員。専門は、政治思想史・ナショナリズム研究。著書に、『丸山眞男と平泉澄―昭和期日本の政治主義』、『「日本」への問いをめぐる闘争―京都学派と原理日本社』(ともに柏書房)、『昭和の思想』(講談社選書メチエ)。共著に、芹沢一也・荻上チキ編『日本思想という病』(光文社)、木村雅昭・中谷真憲編『覇権以後の世界秩序』(ミネルヴァ書房)、野上元・福間良明編『戦争社会学ブックガイド』(創元社)などがある。

内容説明

大震災が教えてくれた、魅力ある日本の「国柄」の創り方。―昭和のソフトパワー、その失敗の本質を見極める。

目次

1 ふわふわしたソフトパワー
2 大震災のあとで
3 日露戦争とソフトパワー
4 昭和戦前期の挫折
5 昭和戦後期の不発
6 今の日本の立っている場所
7 今の大学生に欠けているもの
8 今の世界を動かしているもの
9 日本に今可能なこと

著者等紹介

植村和秀[ウエムラカズヒデ]
1966年、京都市生まれ。京都大学法学部卒業。現在、京都産業大学法学部教授・合同会社植村文庫業務執行社員。専門は、政治思想史・ナショナリズム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぽん教授(非実在系)

1
文化発信と思想、そして情報の在り方と自分の関心ズバリの話が濃密に展開されていて買ってよかったと思わせた本。 著者のスタンスが西田幾多郎的なポジティブな理想主義な感じで、今の時代にマッチしていると思われているのでそこも良い感触。2013/03/17

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