夜の記憶―日本人が聴いたホロコースト生還者の証言

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  • サイズ B6判/ページ数 470p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784422300399
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0022

出版社内容情報

12人が肉声で語る、生を求めて必死に生き抜いた奇跡的人生の物語!
<内容紹介>
ヨーロッパのユダヤ人600万人を襲った未曾有の大虐殺、ホロコースト。本書は著者がイスラエルに赴き、日本で初めてその生還者たちに直接インタビューした貴重な証言集である。アンネの最期の様子を知る友人を始め12人が、収容所を奇跡的に生き延び、戦後イスラエルに定住するまでの劇的な人生のストーリーを生々しい言葉で多様に語り、深い感銘を与える。著者によるヨーロッパ各地の収容所跡地の旅行記も臨場感を高めている。
はじめに
第1章 ホロコーストとは何か
 Ⅰ「ホロコースト」という用語に関して
 Ⅱホロコーストの歴史的背景
 Ⅲユダヤ人問題の「最終解決」と絶滅
 Ⅳホロコーストの後に
第2章 ホロコースト・サバイバー
 Ⅰホロコースト・サバイバーとは誰のことか
 Ⅱホロコースト・サバイバーの問題
第3章 夜の記憶-ホロコースト・サバイバーの証言
 Ⅰインタヴューにいたるまでのプロセス
 Ⅱ証言
  ハンナ・ピック・ホスラール
  サラ・ブラウン
  ミラ・ホワイト
  ダヴィッド・ゴールドスタイン
  マヤ・グリーン
  シーマ・スクルコヴィッツ
  リーシャ・ローズ
  ドーブ・フライバーグ
  メイール・エルダール
 Ⅲチャイルド・サバイバーの証言
  エワード・レーブ
  アマス・バッソ
  シーラ・レヴィット
おわりに 現代社会でホロコーストを証言していくことの意味

年表
あとがき
資料

「まえがき」より
本書は、わが国では珍しいホロコースト生還者(サバイバー)の証言を集めた本であり、ここに紹介する証言はすべて、著者がイスラエルに出かけて行って、直接聞き取ったものばかりである。(略)わが国で類書が見当たらない現在、本書はさまざまな点で、必ずや読者を利するものになると確信する。著者の狙いは何よりも、証言を通して、人類最大の負の記憶を後世に伝えていくことの意味を本書から汲み取っていただきたいということである。

<著者略歴>
名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部人文専攻卒業。上智大学大学院哲学研究科博士前記課程修了(文学修士)。千葉大学大学院看護学研究科修士課程修了(看護学修士)。信州大学医学部博士(Ph.D)。三重県立大学看護短期大学助教授、北海道大学医療技術短期大学助教授、富山医科薬科大学医学部看護科教授を経て、現在山梨大学大学院医学工学総合研究部教授。専門はホロコースト生還者の研究、被爆者の研究、生命倫理学、看護倫理学、終末期看護学など。ESPMH(European Society of Philosophy of Medicine and Health Care)会員、日本生命倫理学会評議員、日本医学哲学倫理学会評議員等。主要著書『末期医療からみたいのち』(朱鷺書房)『今問い直す脳死と臓器移植』(東信堂)など。

内容説明

ホロコーストのサバイバー12人が恐怖と不安を乗り越えて語った真実の言葉。

目次

第1章 ホロコーストとは何か(「ホロコースト」という用語に関して;ホロコーストの歴史的背景―特にヨーロッパにおける反ユダヤ主義の系譜;ユダヤ人問題の「最終解決」と絶滅)
第2章 ホロコースト・サバイバー(ホロコースト・サバイバーとは誰のことか;ホロコースト・サバイバーの問題―主として心理社会的な視点で)
第3章 夜の記憶―ホロコースト・サバイバーの証言(インタビューにいたるまでのプロセス;証言;チャイルド・サバイバーの証言)

著者等紹介

沢田愛子[サワダアイコ]
名古屋生まれ。早稲田大学第一文学部人文専攻卒業。上智大学大学院哲学研究科博士前期課程修了(文学修士)。千葉大学大学院看護学研究科修士課程修了(看護学修士)。信州大学医学博士(Ph.D)。三重県立看護短期大学助教授、北海道大学医療技術短期大学部助教授を経て1994年から2004年3月まで富山医科薬科大学医学部看護学科教授。2004年4月から山梨大学大学院医学工学総合研究部教授となり現在にいたる。専門領域はホロコースト生還者の研究、被爆者の研究、生命倫理学、看護倫理学、終末期看護学等々。ESPMH員、国際共同プロジェクトValue of Nursingメンバー、国際共同プロジェクト・ナチナースリサーチグループのメンバー、日本生命倫理学会評議員、日本医学哲学倫理学会評議員、日本死の臨床研究会世話人、神戸ユダヤ文化研究会会員、JIJ‐F会員、日本心理臨床学会会員等々
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

19
初読。日本人がホロコーストのサバイバーに直接インタビューを行った貴重な一作。青年期〜成人期にホロコーストを生き延びた人と、幼少期に生き延びた人とのその後の精神面への影響の違いへの考察や、アンネ・フランクの最期を知るアンネの友人へのインタビューが記されている。2012/12/30

Nobuko Hashimoto

16
著者は生命倫理の研究者。ホロコーストの現場や生存者を直接訪ねた記録だが、肝心のインタビューが大幅に短縮されている人もあるよう。インタビュー相手が既に回想録を出しているような人ばかりだからか? 挨拶部分や「話を聞いてのまとめ」的コーナーを排して、できる限り生の証言を採録して欲しかった。全体的に情緒的で思い込みや想像に基づく記述が多いので留意する必要がある。ところで、第2世代、第3世代へのホロコーストの影響については別の機会にという記述が何度か出てくるが、研究成果はもう出されないのだろうか。2017/09/14

homkithi

2
2009:日本人である著者が直接ホロコーストサバイバーの方々にインタビューを敢行したという点だけでも価値のある本だと思います。サバイバーの一人の「私は人間が好きで、人を信じることができる」という言葉に対する「彼のように人間の悪魔性をこれでもかというほど見せつけられながら、なおも、『人間が好きだ』と言い切ることのできる中に、ひょっとしたら、私達人間の最後の希望があるのかもしれない。」という著者のコメントに心から共感します。2009/07/28

Arte

1
ホロコースト関連の収容所跡地を訪問した感想とホロコースト生存者12人へのインタビューをまとめたもの。著者は「事物の本質は自分の目で見、身体を通して感じなければならない」と考え、「今は何もない荒地に真実の叫びを聞き取るデリカシーを持つことからすべては始まる」ため、収容所跡地を訪れて「現場が秘めた記憶に触れ」、ホロコースト生存者に1人数時間ずつ話を聞いて心を通わせ、「自分の生き方をもう一度みつめなおした」り「心の中に深い慰め」を感じたり「ホロコーストからとてつもなく深い真理を」教わったりしたらしい。 2017/03/21

愛の工場長

0
不幸な災厄の犠牲者達を忘却のうちに二度殺すことがあってはならない。クロード・ランズマン「ショアー」体験を通ってきた人々の心情もその事実に織り混ぜながら見ていかないと、本当に理解したことにはならない。負の記憶を黙せず、それを社会がどう直視し、世界の人々と分かちあっていかれるのか。沈黙の壁にせっかく開いた風穴は閉ざさぬようにするだけではなく、さらに大きくしていく。チクロンB、ムーゼルマン、ミティゲン。依然として暴力が吹き荒れる危機的な世界情勢の中で、平和の意味と生命の尊厳について、あきらめずに見続ける。2023/05/03

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