内容説明
江戸時代の大ヒット旅行書シリーズ「大和名所図会」から場面を厳選し、絵ときスタイルという独自の趣向で古今の習俗や人間模様を活写する案内書。南都の寺、飛鳥の名所から四季の行楽地、修験の峰々や水辺、そして奈良人の暮らしや生業も題材にし、江戸期の奈良と現代をつなぐ生活文化や歴史・地理がわかる全三十景の名所が登場。
目次
第1章 南都の大寺(法隆寺「聖徳太子の江戸時代の評判」;東大寺「裸の大仏、江戸中期に復興」 ほか)
第2章 飛鳥そして万葉(天香具山「天から降りてきた香具山」;飛鳥社「飛鳥と明日香の物語」 ほか)
第3章 神仙境の風景(宮滝「貝原益軒が見た岩飛びの名所」;山上嶽の役行者「山上嶽は修験道の聖地」 ほか)
第4章 大和旅情(さらし場「天下の名品、奈良晒の技」;吉野の筏流し「筏流しは音無川から眺めよ」 ほか)
著者等紹介
本渡章[ホンドアキラ]
1952年生まれ。作家・ライター。産経新聞に名所図会の話を2003年から連載開始。その後も古地図、浮世絵とテーマをひきつぎ、2007年8月までつづけた。1996年、第三回パスカル短篇文学新人賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
53
1791年に刊行された『大和名所図会』から数枚ピックアップして、奈良の名所旧跡や生活文化の様子を解説しています。南都の大寺、初瀬から飛鳥、吉野、そして江戸時代の街道の賑わいなど書かれています。挿絵もさることながら、読み物としても楽しませてくれました。2019/03/06
NB
1
寛政三年に出版された「大和名所図会」という当時の旅行ガイドブックを絵解きした本。江戸時代当時の目線で描かれたの奈良の名所の絵が見開きで載っており、それに対する著者の“絵解き”と、名所の歴史・謂れなどの説明がついている。この絵がかなり精巧で西大寺や當麻寺などは今の風景と殆ど同じで面白いし、かと思えばまだ西塔や講堂が再建される前の薬師寺はタイムスリップしたかのようでまた楽しい。解説文もかなりの情報量で大変満足。持ち歩いて現地を回ると楽しそう。2015/03/31