出版社内容情報
冷戦期に構想されるも諸々の事由により未発に終わった作戦・兵器のを近年公開の機密資料をふまえて詳説。20世紀史を補完する。
NATO軍によるソ連への核攻撃計画、ソ連軍による西ドイツ侵攻計画、原子力航空機コンベアX6開発計画、アメリカ軍による月爆破計画……米ソ冷戦期に東西両陣営で構想されるも、未発に終わった作戦計画の数々。本書では、近年公開された機密文書や関係者の発言をふまえつつ、こうした幻の作戦・兵器について詳する。表向きの米ソ冷戦史、20世紀史を補完する裏面史でもある。写真・関連地図250点以上を掲載。オールカラー。
序 東西冷戦への道筋
第1章 戦争になりかけた戦争
あり得ない作戦(イギリスによる対ソ連戦争計画
第2章 もし「熱戦」になったら
原子爆弾(イギリスの核実験と核兵器による均衡)/攻撃計画(アメリカによる対ソ連全面核戦争計画)/単一統合作戦計画(アメリカの核兵器運用における諸課題)/イギリスの計画とブルー・ストリーク・ミサイル(中距離弾道ミサイル計画)
第3章 攻撃の場合
身をかがめ、隠れろ(アメリカの民間防衛教育)/イギリス内務省の「戦争計画書」(民間防衛の強化と核攻撃時の行政計画)/敵の来襲の監視(イギリスにおける国家攻撃警報システムの構築)/妄想と敵性分子一斉逮捕計画「PROFUNC」(カナダにおける「赤狩り」)
第4章 第一線に立つヨーロッパ
ドイツ防衛計画(西ドイツにおける核地雷敷設計画)/ワルシャワ条約機構(東西陣営の戦力とその再構成)/ソ連の計画(ソ連による西ドイツ侵攻計画)/チェコ侵攻計画(NATO による先制攻撃とワルシャワ条約機構軍の備え)/ソ連の核戦略(イワシュチンの想定)/中止されたポーランド侵攻(ソ連の「連帯」への対応)
第5章 アメリカの裏庭で
グアテマラ(「10月革命」とドミノ理論)/キューバ(アメリカによる侵攻計画「マングース作戦」)/チリ(アメリカによる心理作戦「キャメロット計画」)/ブラジル(アメリカによる軍事政権支持)
第6章 東方は赤化していたのか。アジアにおける動向
台湾(中国の台頭と「台湾海峡危機」)/ベトナム(アメリカによる核爆弾投下「ダックフック作戦」)/ラオス(王国軍支援のための「水車池作戦」)/抑留スパイの交換(ハンガリーからイギリスへの提案)
第7章 科学の動員
空母の恨み(原子力航空機「コンベアX6」計画)/目標は月(アメリカによる月爆破計画「A119計画」)/アコースティック・キティ(盗聴器を埋め込まれた猫)/ビッグ・イワン(史上最大の水素爆弾「爆弾の皇帝」)
参考文献
索引
【著者紹介】
セント・エドワード・カレッジおよびユニバーシティ・カレッジ(オックスフォード大学)に学ぶ。古代から現代までの歴史に通暁し、意外な切り口からの叙述に定評がある。著書:『世界の碑文』『図説ローマ皇帝史』『図説アメリカ大統領』『図説世界史』など多数。
内容説明
「if」の視点から見えてくる冷戦の真実。近年公開された各国の機密文書をもとに、米ソ冷戦期に立案された秘密計画、兵器を詳説。激動の20世紀の裏面史をたどる。
目次
序 東西冷戦への道すじ
第1章 戦争になりかけた戦争
第2章 もし「熱戦」になったら
第3章 攻撃の場合
第4章 第一線に立つヨーロッパ
第5章 アメリカの裏庭で
第6章 東方は赤化していたのか。アジアにおける動向
第7章 科学の動員
著者等紹介
ケリガン,マイケル[ケリガン,マイケル] [Kerrigan,Michael]
セント・エドワード・カレッジおよびユニバーシティ・カレッジ(オックスフォード大学)に学ぶ。古代から現代までの歴史に通暁し、意外な切り口からの叙述に定評がある
石津朋之[イシズトモユキ]
防衛省防衛研究所戦史研究センター国際紛争史研究室室長。獨協大学外国語学部英語学科卒業、ロンドン大学スクール・オブ・オリエンタル・アンド・アフリカン・スタディーズ大学院修士課程およびロンドン大学キングス・カレッジ大学院修士課程を修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院博士課程中退
阿部昌平[アベショウヘイ]
陸上自衛隊戦車教導隊隊長。防衛大学校(応用物理学)卒業、陸上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程卒業、米海軍大学院国防資源管理課程修了。統合幕僚会議事務局第5幕僚室、米統合戦力軍連絡官、防衛研究所戦史研究センター主任研究員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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